インシテミル

インシテミル (文春文庫)

映画化されたみたいですが、藤原くんとか興味ないけど米澤穂信ということで釣られて読みました。

高額のバイト代に釣られてとある実験に巻き込まれた12人が地下に閉じ込められて順番に殺されていくという分かりやすい展開というか、ベタなミステリの王道の題材に挑みつつも、どこか臨場感にかける展開。なんだかなぁ米澤穂信はやっぱり古典部とか小市民シリーズで日常ミステリやってた方がよいなぁと思いつつ読み進めたのだけど、最後の解説まで読んでやっとわかった。なにか違和感があると思ってたのは、主人公の一人称で語られているのに、意外と冷静で冷めてる。んで、物語終盤で主人公がドロップアウトしたあとの監獄の様子が舞台裏っぽくて、思い返してみれば始終どこか傍観者視点といかメタな感じがする見せ方のせいなんじゃないかと気づく。しかもなんだろうそれを意図的にやってるというのは内輪ネタで盛り上がっているような感じ。読んでる時はイマイチ盛り上がらなかったのに、読み終わってからジワジワ来るしてやられた感。茶番劇に踊らされたような妙な読後感。うーん、なんだこれ。少なくとも本格ミステリなんかじゃない。