iPhone電力制御問題を理解するためのCDMA解説

iPhoneやらかしちゃったに関して
http://www.phs-mobile.com/wp-trackback.php?p=423



iPhoneの出力電力制御に問題があるのか確認できないので、真偽には言及しません。
ただ、CDMAって何だっけ?と思っている電波にあまり詳しくない方もこの問題には興味があるようなので、
ちょうどCDMAについて最近勉強したところですし、
100人乗っても大丈夫イナバ物置でたとえてみようと思います。
要するに100人乗っても大丈夫なイナバ物置に、数人で肩車した組を100組のせるのがCDMAです。
結構無茶なことをしてます。


ここでは、
物置の建っている土地:電波の周波数
物置に乗っている人数:携帯電話で同時に通話できる人数
物置に乗る人の体重:基地局からの距離。基地局に近い人の方が体重が重たい。
肩車の何段目にいるか:基地局から送信される電波の強さ(自己申告)
としています。


ソフトバンクさんはひとつのイナバ物置の上に100人と言わずもっとたくさんの人を乗せたいと考えています。
そのためには3つの方法があります。
1つ目は大きな物置を建てる。(FDMA)
2つ目は電話をしていても黙っているときは物置から降りる。(TDMA)
3つ目は肩車をして人の上に人が乗る。(CDMA)


土地は国が管理していますので、勝手に広い物置を建てるわけにはいきません。
そこで、2つ目と3つ目の方法を組み合わせてたくさんの人を同時に物置の上に乗せられるようにします。


3つ目の方法を使ってたくさんの人を乗せるときに重要なのが体重です。
ちゃんと体重の重たい人が下になるように並べないと、一番下の人がつぶれてしまいます。
体重は50kgの人と60kgの人を並べるなんていうレベルではなく、
体重200kgの関取と、体重10kgの子供を並べるようなレベルです。
間違って子供の上に関取を配置してしまうと大変なことになります。


今回iPhoneで問題になったのは、体重が重たいにも関わらず
必要以上に肩車の上に乗ろうとしたことです。
体重の重い人が上に乗ってしまうことで、下にいる人がつぶれてしまいます。
つまりiPhoneは通話できても、下にいる人の電話がつながらなくなります。


普通はちゃんと虚偽の申請をしない人なのか面接をするのですが、
今回は外国から来た人なので、面接はなかったのではないだろうかと元の記事では推測しています。


このたとえで電波法はどうなるかと言うと、土地を管理する法律になります。
土地はここからここまでは誰の土地と決まっています。
そして、土地は隣接しています。


100人乗るときに、靴のかかとがちょっとはみ出るくらいならいいのですが、
完全に片足はみ出して体重かかってるのはだめですよという法律です。
はみ出さない範囲なら、どのようなやり方で何人、人が乗っていても関係ありません。
あくまで今回の問題は、狭いところにたくさん人を乗せるためのやり方に関してです。




iPhoneの電力制御にバグが本当にあったのか、
Docomoさんの認定が厳しいのか、
appleさんは試験をサボったのか、
具体的なことは私はよくわかりません。
ですが、皆さんが使っている第3世代の携帯電話は、
結構複雑なことをして同時に通話できる人数とか増やしてるんですよというお話でした。


誰かHSDPAに詳しい方がいたら解説をお願いしたい。
電力制御しないんですか?

<追記>
なぜ端末でのバグがネットワークにまで影響するのかですが、
無線だからだと思います。
無線通信の特徴は通信路を共有していること、
端末と基地局との間の通信は空気中を伝わる電波で行うので、
ネットワークに影響を与えやすいのだと思います。


有線で言うとケーブルを共有しているようなものなので、
端末からでもネットワークに影響を与えやすいのです。