『神はサイコロを振らない』the 1st day

うーん・・・・・・・・・面白くなかったわけじゃないんだけど、なんか奥歯に物が詰まったような、それが取れそうで取れないようなもどかしさを感じました。相当ぶっ飛んだ設定なのに、それを受け入れさせる説得力というかパワーがないし、コメディとしても淡々としすぎ。遺族側も乗客側もどこまで理解してるのか分からないけど、死んだと思ってた人が10年前の姿で現れた!事故だかなんだか分からないけど死んだと思ったのに死んでなくて、しかも10年経ってた!その事実を双方が怖がることなく受け入れてるような感じで、ちょっと盛り上がりに欠けるなーと。驚きすぎて感覚が麻痺してるってんなら分かるけどそうでもなさそうだし、10年どこにいたんだよ!?とか、ちょ、なんでいきなり老けてんのさ!キモッ!とかそういう気持ちの描写が全くないんだもん。それでいて、萌えー!とかいきなり入るし・・・。いや、それ萌えじゃなくね?とかいらん突っ込みさせんなよと。でもまぁこれから各話で各乗客とその関係者の事情や気持ちを描いていくんだろうし、その中には笑える話もあれば深刻な話もあるだろうし、とにかくこれからかなと。

なんつって本部長役の岸部一徳遺族会会長役の尾美としのりだけで実のところイケるわけですが。つーか甲斐について
アッチ「なんかこういう目(細くしながら)してて、かっこいいんだかかっこ悪いんだかよく分かんない人!」
ヤッチ「あぁ〜遺族会の会長?」
このやり取り最高。

甲斐弟役の中村友也くんという子がなかなか可愛く、俺の密かなお気に入り駆け落ち逃走カップルの男役の丸山智己に、久々の武田真治とオトコマエも適当に揃ってるので、そこらへんも楽しみです。
ラーメンズの人、見てたけど気がつかなかった・・・。

『アンフェア』第2話

麻央ちゃんあっさり殺されちゃったよオイ。ずっと「ゆ゛き゛ねぇ」て言いながら出られてもそれはそれで困るんだけど、こんな簡単に2話で殺すなら初回で殺したほうがインパクトあったと思うんだけど。
2話で原作の3分の2ぐらい進んじゃった気がするんですけど、3つのエピソードというか事件を描くというのはホントですか?(友人談)。ということは原作の「推理小説」がエピソード1ということになるのかなぁ。「愛する者」として殺されたのが理恵子で、元彼が犯人ってんじゃあまりにも当たり前で「アンフェア」でもなんでもないと思うので、前の3人はともかく理恵子の殺害に関しては、元彼ではないな・・・と思ったら薫ちゃんまで怪しいことし始めちゃったよ。他にもそう思った人が沢山いるようですが、登場人物全員怪しげな演出と、個人プレイが得意の暴走型主人公が携帯で調査を依頼し、基地にいる協力者がハイテクシステムでテキパキ調べ上げるのを見てると『24』っぽいなぁと思った。『24』をモデルとしてるんだとしたらこの先、こいつも悪人かよ!?的なビックリ展開が待ち受けてるのかもしれない。というかそれ希望。特に瑛太さん。だって2番手ポジションなのに「バカかお前」て言われてるだけなんだもん。「推理小説」事件(エピソード1)に関しては、井上順演じる作家の秘書か理恵子の同僚が一応の犯人で、この事件の解決に瀬崎が役立ってくれたりして、その後の事件でも雪平の個人的な相談相手みたいになると。一応事件は解決したものの、動機や事件の背景がハッキリしなくて、背後に誰かがいるんじゃないか・・・的な空気を残しつつ次の事件が起きると。雪平の娘や家政婦キムタエは、雪平が起こした射殺事件が関わるんだろうし、ファイナルエピソードだと思うんだよな。今のところ、もう1つ別の事件が起こるような伏線には気付かなかったけど(録画したの消しちゃったことを悔やみそうな予感)、雪平以外、公式の相関図に出てる人物の扱いが雑魚すぎる気がするわけで、特に今のところなんのキャラも立ってない寺島進阿部サダヲがエピソード2に関わるんじゃないかなぁという気が期待をこめて、する。この程度の扱いじゃ納得いかないっすよ。濱田マリもその仕事っぷりは結構凛々しいものがありますが、単なる協力者ってわけでもないかもしれないな。今回ラストで怪しい動きを見せた加藤雅也演じる検視官の薫ちゃんは、自分を軽視する捜査陣に一泡吹かせてやろうと思ってとか、雪平の役に立とうと思ってとか、余計なことすんなボケ!的なオチになると思う。そうじゃなきゃあのヘンテコなベストが怖すぎだもの。で、瑛太さんは3つの事件すべてに関わるラスボス。ベジタリアンとかやたらしてるあくびとか、安藤に関する描写がなーんか引っ掛る。単なるダメ後輩みたいに描かれてるのは、実はラスボスは安藤でした!を効果的に見せるためだと思う。思いたい。

三崎 亜紀『バスジャック』

バスジャック

バスジャック

不思議なことも、普通のこと。心ざわめかせる7つの「日常」(帯より)

『となり町戦争』ですばる新人賞を受賞した超注目作家の新作です。帯文にあるとおり、不思議なことが普通として存在している、ちょっとだけズレた7つの物語です。
まず、その発想には驚かされる。特に「二階扉をつけてください」と「動物園」の世界は感嘆を通り越して畏怖さえ感じました。世界を丸ごと構築するような大掛かりなものではなく、ほんの小さな作り事なんだけど、どうしたらこんなことを考えつくんだろう。片やホラー風、片や自分探し風なのですが、その発想だけに留まらず、風刺が含まれてるというのかな、チクリと胸に刺さります。「動物園」や「送りの夏」など中編もあれば「しあわせな光」や「雨降る夜に」などページ数にすれば4ページ程度の超短編もあったりするのですが、文字数に関係なく全ての物語に完璧な世界があり、書かれている言葉の外へ広がる空間があるのです。
『となり町戦争』は評判ほどでもないかなぁと思ったのですが、私が間違ってました。この人、多分凄い。