『真田丸』第19回「恋路」

「同じ日に死ぬ」という茶々からの呪詛・呪縛としか思えない言葉の象徴になるかと思った押し花を、まさかまさかの喰うという手段でもってとりあえず消滅させたきりスゲーなおい(笑)。
今わたし毎日仔犬と格闘してるんだけど、犬ってなんでも口に入れちゃうんですよ。その都度「出せー!」って大騒ぎするんだけど、押し花喰ったきりがまさにソレでw、信繁大変だなって、きりとのことはほぼほぼどーーーーーーでもいいと思ってるんだけど、初めて信繁の気持ちがわかった気がします(笑)。
つーかこれまでもきりのことよく喰う女だなと(だからまさみどんの顔パンパンなのか?と)思っていたわけですが、まさかこれまでの食い意地キャラはこの前フリだったということなのかっ!?。だとしたら三谷さんマジ偏執・変態(笑)。
あとこれまで対茶々様に関しては出来うる限りブロックしてたつもりなのに、きり→秀次→三成と段階を踏んで「お前に隙があった」と言われ続け最終的には「はい。隙ありました(棒読み)」って諦め認めてるのが信繁が置かれている状況をよく表してるなーとか思った(笑)。こういうの好き(笑)。
で、茶々が正式に秀吉の側室になったことが終わりの始まりだとナレに言わせちゃうのは相変わらずうっとおしいんだけど、茶々もそうだけど秀長様がもうすでに病で臥せっておられるってのが地味に効くよねぇ・・・。それもふくめて今回が、この瞬間がまさに終わりの始まりなのだな(秀次さんのいいひとっぷりを見せられるのもまた・・・辛いわ・・・)と思わせられたけど、そのタイトルに『恋路』という二文字を当てるって、すごいわー。
ところで、茶々と信繁が蔵にいたってな噂について、秀吉は「行ってない」という信繁の言葉を信じてた・・・ってことなのかなぁ?。わたしの中でこの作品の秀吉は家族以外を信じない男という印象なんで、片桐よりも信繁を信じた(信繁の前で片桐を叱責した)ってのも「お前の話が嘘だったら分かってるだろうな?」とプレッシャーをかけたってことか、もしくは「次はないぞ?」という意味か、そんな感じなんだと思っていたのですが、茶々が「また」と失言した瞬間明らかに顔が変わったよね。笑みがスッと消え真顔になった。それは茶々はともかく信繁に欺かれたとわかったからなのかなーと。だとしたら、わたしが思っているよりもずっと信繁は秀吉に信頼されているということになるなぁ。
流れだけ見れば茶々を側室にするために信繁を使ったと考えられなくもないんだけど、でも寧様に真正面からアタックしろとアドバイスされてたし、そういう意味では「死ぬときに日の本一幸せなおなごだったと言わせてみせる」というプロポーズはドストレートだったわけで(それを受けて側室になった茶々にそのあとで信繁に「同じ日に死ぬ」言わせたことを、どこまで深読みしていいのやら・・・)、だからたまたまこのタイミングで側室になってくれという話をしたというだけであって信繁の存在は関係ないということなんじゃないかな。だから嘘ついてたことがバレて顔面蒼白の信繁の向こうで、信繁そっちのけでプロポーズする構図だったのではないかと。まぁそのタイミングを見計らってたところに絶好の機会が訪れたからってなことではあるのでしょうが。
となると、秀吉にとって信繁は茶々が側室になってくれたことに比べれば自分を裏切ったことなどどーでもいいってな程度の存在ということになるのか?。どうも秀吉と信繁の距離感がつかめないなぁ。
ってのは次回やるであろう落書き事件に信繁がどう絡むのかってことに繋がるんだけど。
反対に距離感がぐんぐん縮まってるのが分かるのは治部様。治部様ツンデレすぎーーーーーーーーーーー!!。
登場当初はマジで「ひとを不快にさせる何かがある」としか思えなかったけど、その不快さは不器用なだけで、その裏には三成の気遣いと優しさがあるんだってわかってしまったからもうツンデレ可愛いとしか思えない。茶々の失言が出た瞬間速攻でその場を離れたけどw、それすら可愛いとしか思えないとか関ヶ原ヤバイ。この調子で関ヶ原まで行かれたらマジやばい。
あと平野さんブレねー(笑)。
今回一番怖かったのって清正でも秀吉でも茶々でもなく寧様だったんだけど、恐ろしすぎる大阪城のなかでいつみてもスルメ齧ってる平野さんにホッとさせられますw。
というわけでお兄ちゃん。
あの時点では家康がなにを企んでるのか全く知らなかったお兄ちゃんは厠で髭面のおっさんに背後に立たれて何を思ったんだろうねぇ・・・。
それまでジョボジョボ音させてたのが背後の忠勝に気付いた瞬間ピタっと止まってワロタw。あんな見事に止められるもんなのかよw。
ていうかここ、忠勝は娘を嫁にやる男を文字通り「確認」してたのかと思ったんだけど(笑)、スローで見ても一時停止して見ても「覗きこむ」ようなことはしてなかったんで、こんなやつに可愛い娘をクソクソッってな感じで嫌がらせしただけと解釈(笑)。
ていうか!信伊叔父上の!ヘアスタイルが!変わってるんですけど!!!。
そして前回あれだけ落ち込みちっちゃくなってた父上が徳川から持ちかけられた縁組を「使えるな!!」ってコイツぜんぜんいつも通りじゃねーか!!。心配して損したわ!!。
でも駿府城の図面を前にしてどう攻めるか考える兄上の変わらなさを見て信伊叔父上が嬉しそうだったんで許してやるぜ。

東野 圭吾『人魚の眠る家』

人魚の眠る家

人魚の眠る家

それが主題ではないけれど、「人の命はお金で買える」という印象しか残らないなぁ。
小児の臓器移植について法的なこともそうだけど「心理的」なハードルという壁があって、それは作中でも言及されているけど当事者になってみなけりゃわからないってのが正直なところだよね。平時であれば誰かの命を救うことができるのならば、誰かの中で生き続けてくれるのならば・・・と考えられたとしても、いざ脳死と言われ臓器を提供する意志があるかと聞かれたら、断ってしまうかもしれない。それは仕方のないことだと思う。
この作品では水の事故で脳死状態に陥った少女を科学と金の力を使って肉体を生かし続ける両親を軸として、それに様々な形で関わる人間たちのそれぞれの立場での心情が描かれますが、そもそもがお金があるからこその話としか思えなかった。逆の立場というとちょっと違うんだけど、国内では移植を受けられず海外での手術のために2億を超える募金を集める話もあって、その中で“お金で命を買うこと”について意見が交わされ、そこでなんとなく納得じゃないけど、手段としてひとつの理解を示すことができたのに、そのくせ最後には“運”で助かっちゃう子供が出てきてちょっといい話っぽく終わらせるのもなんか厭。