『動物戦隊 ジュウオウジャー』第42話「この星の行方」

それだけ『ラスボス』であるジニス様が強いんだと、恐ろしいんだと、そういうことなんだってことはわかるんだけど、それにしたってクバルの変わり身にはガッカリだよ・・・。
地球にくるまでどれぐらいの時間あちこちの星でブラッドゲームしてきたのかしらんけど、自分の星が滅ぼされてからずっとクバルは復讐の機会を窺ってたんだと思ってたんだよね。そしてその間いくつもの星がクバルの故郷のように滅ぼされてきたのだと。で、バングレイと出会いその手の力を奪ったことで、クバルにとっての『その時』がようやく訪れたのだと、わたしはそう理解してました。
そしてクバルの作戦により、ジニス様は姿を変えた。それはクバルが初めて見るジニス様の姿であろうわけで、その圧倒的破壊力の前に長年抱え続けた恨み辛みなど吹っ飛んだ・・・であろうことは想像できるけど、故郷の星を滅ぼされた復讐のためにデスガリアンとして行動を共にしてきたクバルが自分の命を助けてもらう代わりに地球を差し出す、故郷と同じ目に遭おうが知ったこっちゃねえってのは・・・ガッカリ以外にないわ。
復讐するのは自分の星のため「だけ」であって他の星がどうなろうが知ったこっちゃないってことならわかるし、もしかしたらもう復讐に意味なんてもてなくなってるのかもしれないし、だから復讐が叶わないなら地球なんざどうだっていいってんならいいのよ。それならわかるの。でも「自分の命」のためにってところがわたしには理解できない、というか納得できん。ずっと復讐対象だったジニスに許しを請うてまで生きてどうすんだよ?としか思えないもん。
ジニス様への恐怖心に負けたクバルに対し打ち勝ったみっちゃん、という構図は悪くないんだけど、みっちゃんと対比させるにはクバルに物語がなさすぎて。
みっちゃんには仲間がいた、一人じゃなかったからジニスへの恐怖心に打ち勝てたんだというならば、故郷を滅ぼされたった一人で戦うしかなかったクバルの孤独にスポット当ててもよかったんじゃないかな。そのほうがよりクバルの悲惨さが増したし、それによりジニス様の恐ろしさがもっと際立つし、だからこそみっちゃんの中にいる三ジューマン含め仲間がいるから強くなれたってのがもっと明確になったんじゃないかなと思う。


父親と会ったあと、戻ってこない大和のぶんの食事にカバーかけた周りに自分達の置物を並べるジューマンの優しさに泣きそうになったわー。わんこってすごく落ち込んだとき側に寄り添ってくれたりするんだけど、たぶんそんな感じなんだろうなーって。

『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』第10話

ついに世界の北野が本気出すわあああああああああああ!!!
と思ったら、ただのお金大好きゲス野郎であった(笑)。アメリカでばんばん金稼いでたのに日本に戻ってきたのは「金が理由じゃない」ってなことを言ってた記憶があるけど、結局金に転ぶかよ(笑)。ワンちゃんと自撮りすんのクッソ笑顔じゃねーか(笑)。
つーか世界の北野のプライドからか「胎児の手術は私がやる」とか言いつつ未知子にプレッシャーかけられ速攻ひよってメスを譲るのクッソ笑ったわw。加地先生もきんちゃんも(手を挙げた・・・・・・!?と思ったら背中がかゆかっただけwとかやりつつなんだかんだで助手に入ってくれる加地先生ときんちゃんやっぱ最高・・・なんだけど、でも今期を締めくくる意味でも二人には手を挙げて欲しかったかなー)完全に引いてるじゃねーか(笑)。
そして同じく中国の大富豪にスカウトされてる城之内があんな状態になるまで誰にも言わずオペにも入り続けたのは娘のため(自分が死んでも娘が夢を追い続けられるだけの金を稼ぐため)ってなところでしょうが、それにしたって他人の命に関わる仕事をしている以上、体調不良は自分だけの問題じゃないわけで、はっきりとは描かれなかったものの今回胎児に異変が起きて未知子が我を忘れかけたってのは城之内がミスしたからだろうし、だからこそ未知子は動揺し「許さない」と怒りをぶつけたということだろうし、でも「母親は子供のためならなんでもする」んだよね。それをメイサの話でしっかり描き、それが城之内の話に繋がる話運びはわかりやすい。
しかしダメダメかと思った世界の北野が動揺する未知子を正気に戻したのはよかった。あのままいってたら大門未知子が「失敗」してたかもしれないわけで、なるほど、ここで北野先生に値千金の働きをさせるかー(その役目は加地先生がよかったです・・・・・・)。

恩田 陸『蜜蜂と遠雷』

蜜蜂と遠雷

蜜蜂と遠雷

「ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。」
と帯にある通り、それぞれの運命を生きる天才たちが奏でる音楽が溢れる素晴らしい作品でした。
クラシックの素養もピアノコンクールの知識もない私なので、ありとあらゆる言葉でもって表現されている天才たちが鳴らす音を想像すらできないのは無論のこと弾いている曲さえ半分も知らなかったりするのでただ“読んでいる”だけというか、天才たちの物語を見て聞いてるだけで理解も共感もまったくできないし、その物語も言ってしまえば『ピアノコンクールが始まって終わるまで』の話でしかないので展開に乏しく平坦と言えると思う。それでも何度も涙がこぼれそうになった。なんの涙かわかんないんだけどこみ上げる瞬間が何度もあった。
理解も共感もまったくできないと書きましたが、だからといって登場人物たちが遠いか、と言えばそうではない。天才たちが感じていること考えていること、生きてる世界、それらを理解することはできないし想像することもできないけど、でも彼らを愛おしいとは思う、思える。この文量をキャラクター性だけで読み切らせてしまえる恩田陸のガチ本気に震えました。装丁も素敵!!。