『コードネームミラージュ』第7話「信じル」

わたし結構な年月生きてきてますが、冷凍の魚がこんなにもスタイリッシュでカッコいい武器になることを初めて知りました。
その場にあったものをとりあえず掴んで武器にしたってんでなく、武器として使えるかどうか冷凍魚をしっかり確認するところにミラージュさんのプロっぷりが見えたわー。
逃げた悪人を追い詰めて相手の言い分全く聞かないどころかミラージュもキメ台詞一つ言うでもなく完全無言でただ殺すだけってのがまさに殺戮マシーンって感じで、こういう主人公像ってあんまりいないというか、時代劇っぽい?。せっかくのアクションが画面の暗さでよく見えないのも時代劇を意識してるところがあるのかな?なんて思ったり。
そして今回から登場した久保田悠来演じるコードネーム「サンダー」はスモークの後釜ポジションとのことですが、スモークは(ミラージュに対し)何がしかの感情を抱きつつもそれを表には出さず冷静に任務を遂行する特殊部隊を率いるリーダーっぽかったのに対しサンダーは見るからに信用ならない感じなのはもちろん意図的なものでしょうから、この男がミラージュにとって御崎にとってどんな存在になるのか楽しみ。
一方“最も安全な場所”として拘置所に入った鯨岡は拘置所内でも暗躍というか調略というか、耳元へのささやき一発で相手の心を掌握しているようで、となるとアフター拷問状態でそれと同じことをされたスモークの精神状態が心配というか、スモークどうなっちゃうの!?・・・・・・・・・と思いたいところではあるのだが、いかんせんつるべ息子に全く持ってソソられるものがなくてだな・・・(これがサンダーさんだったら爆発まったなしだろう)。
ていうかわたしこれ、痛いとこついて相手の心を揺さぶってるだけなんだと思ってたんだけど、拘置所のボスみたいな人がささやかれたとき画面がグラグラと揺れてまるで何かが発動したような演出になってて、もしかして超能力的なヤツだったりするのだろうか。だとしたらスモークどうなっちゃうのっ!?(と思いたいところだが以下略)。
てかスモークなんてどうでもいいんだよ!!日光浴してるやつらの中に高橋洋さんがいたんだけどーーーーーーーーー!!。
鯨岡とその取り巻きとボスとその取り巻き、それを眺めるその他のやつらってな構図のなかで洋さんひとりだけがどこにも属さず存在してたんだけど、ただ座ってるだけなのに存在感バリバリの洋さんがこの物語の中でどんなポジションを担うのか楽しみすぎるううううううううううう!!!!!。

『4号警備』最終話

窪田くんVS佃井さんのガチアクションはさすがの見応えだったー!ってのはそれとして。
民間警備会社の警備員がジャージ姿の女殺し屋と戦うとかないわーだし、楓攫って発火装置?と中継回線セッティングした上で朝比奈VS殺し屋を物陰から見てた小林にキムタエ社長が「私はあなたを赦す。だからあなたも自分を赦してあげて」とか言い出して、その謎説得+死にかけてる朝比奈を前に小林の心がグラグラ揺れてるところに警察が来て逮捕されて終了って駆け足すぎんだろ。
ていうか小林がなんでこんなヤツになったのか説明してくれよ。前回を見終えて小林の“本命”は朝比奈なのではないか?と思った(思わされた)というのに、「お前のせいで俺はストーカー扱いされた」ってどういうことよと。結局執着してる女に朝比奈という恋人がいるから自分は付き合うことが出来ずストーカーのレッテル貼られてしまった。朝比奈がいなけりゃ自分が恋人になれた=ストーカー扱いなんてされずに済んだってことなわけ?。だとしたらそんなやつをなんで「赦す」とか言えんの?。なんでそんなやつが自分で自分を「赦す」必要があんの?。
つーかそもそもの始まりは小林に恋人を殺されたことで(恋人を守れなかったことで)朝比奈が警察をやめ警備会社に入ったことなわけで、朝比奈自身が小林に対する何がしかのケジメをつけなきゃダメだと思うのに、恋人だと誤解して楓を人質にされ自分の命と引き換えに娘を助けてくれと泣きながら懇願する獅子丸を庇ってお腹撃たれて瀕死でハァハァしてるだけって(そんな朝比奈が足元に転がってる中で社長が「あなたを赦します」とか言ってるし)、朝比奈の物語としてこれでいいのか?。ハァハァしながら護りたいものができたとか言ってたけど、今度は楓であり獅子丸を守れたことで過去を乗り越えましたとかそういうことだったわけ?。
アクションをはじめ窪田くんの魅力をできるだけ引き出そうという熱意は感じられたし、実際窪田くんの“いい表情”も少なからず見られたわけで、その点はよかったと思うのだけど、最後まで脚本の雑さ薄さが足引っ張ってくれたなー。獅子丸も池山ちゃんも社長もキャラクターとして魅力あったし、麿さんたちジムメンバーもいい味だしてたのに、上っ面だけを撫でるような脚本だったからせっかくの人物たちが“ただ居るだけ”だったのが残念です。1話で恋人の死体を見て呆然とする窪田くんを歩道橋の上から薄笑いで見下ろす賀来くんのカットを見たときの期待を思い出すとつくづく残念。

早見 和真『神さまたちのいた街で』

神さまたちのいた街で

神さまたちのいた街で

両親がそれぞれ違う宗教にのめり込み崩壊した家庭のなかで戦う兄が主人公で、妹と、これまた家庭に事情がある親友の存在を支えに「自分ではどうしようもないこと」に立ち向かう物語です。
作中で主人公たちが映画について触れていることだし、“僕らの七日間戦争”へのオマージュ作品でもあるのかな。
子供(未成年)の頃は経済的なことを筆頭に自力ではどうしようもないことが理由で戦っていたけれど、大人になったらなったで今度はまた違う理由で戦わなければならなかったりするわけで(だから主人公の両親は宗教というものを欲し縋ったわけで)、だから我慢するのは子供でいる数年だという親友でありそれを支えにする主人公に心が痛んでしまう瞬間があったりしたんだけど、そういう趣向だったのか!と驚いた作中作のタイトルが「神様たちのいる街で」であるのに対し作品のタイトルが「神様たちのいた街で」であること。はっきりとした結末は描かれていないけど、そこに希望がみえました。