『仮面ライダービルド』第7話「悪魔のサイエンティスト」

東都と西都との行き来は密航船で行けるのに東都と北都との行き来は政府が知らない抜け穴(幻徳は東都トップの息子だから政府の人間と言っていい立場なわけで、だから政府が知らないってのは表向きであって実際には黙認されてるってことでしょうが)を通って行くしかないってなことだけど(あの海上にあるなんだかわからん壁の切れ目が北都方面にはないってことかな)、西都に行く時にはお金の問題が発生していなかったのに対して(そこまで高額の手間賃ではなかったのだろう)北都に行くには結構な額の金を払う他に方法はないというその設定にちゃんと意味はあるのだろうか。というのも抜け穴を通るためブローカーに支払う金を工面するのにネットアイドルみーたんが一肌脱ぐのはいいとして、どういうおねだりをしたのか直接の描写はなかったものの、例えばなんかのグッズを売るとかそういう手段でもって金を稼ぐのではなくただ金を集ったように見えたことに引っ掛かったからなんだけど。小学生が将来なりたいものとして「ユーチューバ―」が上位にランクインする時代らしいんで、その要素をちょこっと入れてみたってだけかもしれないけど、であれば余計にこの安易な金稼ぎ描写はよくないと思う。
それから北都は『社会福祉の充実を図る』ことを掲げているものの、実はスカイウォールにより土壌変化が起こり作物に影響が出て(でも木々は立派に生い茂ってる)、経済的に貧窮してるという現実にもちゃんと作劇上の意味・理由があるのかと。西都も北都も対外的(西都は東都と北都に対して、北都は東都と西都に対して)には経済復興であり社会福祉の充実でありを推進してるふりをしてるものの現実は酷い状態であるにせよ、現在は別の国家とはいえ元は日本なのにそれがたった数年で義務教育制度すら崩壊しちゃうってのはさすがに行き過ぎじゃないかなぁ?。土壌変化で作物が実らないってのはその理由として納得いくものではないよ?。
ちゃんと意味があっての描写であり状況設定ならばいいし、そうでなくても特撮フィルターかけてどちらも「そういうもんなんだ」としてサラッと流せばいいことかもしれないけど、現時点で戦兎が葛城を殺したのか否かは「分からない」のに“お前がやったんだろカウンター”なんてギャグ描写にしちゃうのも気になるっちゃ気になるし(視聴者目線ではやってないんだろうなと思えるとしても劇中では戦兎がやった可能性を否定できないし、現にどこまで本気かわかんないけど万丈は「お前がやったんだろ」と言ってるわけで、自分がやったかもしれないこと、それも殺人に対し「また出たー」なんつってヘラヘラしていられる戦兎はあまり好ましくないかなと。事が殺人というシリアス状況だからこそあえてコメディ描写にしてるにしてもね)、こういう違和感の積み重ねって地味に効いてくるのでちょっと心配かなー。
ていうか今回の万丈がちょっと酷すぎる。万丈にとって「俺はやってない」は絶対事実だとして、それを無条件で信じてくれ冤罪を晴らすべく協力してくれてる人間に対して「お前がやったんだろ!(俺の冤罪を晴らすために)自首しろ!」と何百回も詰め寄るとかいくらなんでも人間的にダメすぎんだろ。やっぱこいつ立弥をスマッシュ化させたことについてなんも反省してないんじゃん。万丈にしてみりゃ俺はやってない以上俺以外の誰かがやったことになるわけで、誰であろうが俺の無実を証明するために自首させるだけで、それが戦兎ならばそうするだけってなことなんだろうけど、言い分としてそれは理解するとしても言い方があまりにも自分のことしか考えてなさすぎて、これは愛すべきバカとは言えないよ。
今回ようやっと中身が幻徳であることが明らかになったローグさんは「・・・蒸血」とカッコよく決めたあと「出てこないと皆殺しにすっぞ!」となかなかの極悪っぷりを見せてくれたかと思ったら、スタークにまんまとしてやられてて「ああ、幻徳さんだな(笑)」という感じでしたが、一方のスタークは戦兎が北都行きを目論んでいることをあの時点で知り得た人物の中にいる、ということであればそれはマスター・美空・紗羽の誰かということになってしまうわけで、もしくは三人の誰かと通じてる誰かってなセンもあるにせよ今のところの目的が戦兎=ビルドの戦力アップのようだし、実は敵の懐に入っていろいろと探ったりしてました的な、実は仲間でしたってなこともあり得るかなーなんて思っていたわけですが、今回通りすがりの子供をスマッシュ化しちゃったことで“実は味方”の線はなくなったなと思うと同時にじゃあ誰なんだ?とちょっと混乱。

『監獄のお姫さま』

うーーーーーーーん・・・延長のせいかもしれないけど(そうであってほしい)なんかテンポ悪くないか?。誘拐しましたフリップから菅野さんを押し倒したところで目が覚めるのを繰り返したのはネタ的な意味での掴みでありそのあとに続く「誘拐計画遂行中」の見せ方の前フリのようなものだと解釈したけど、サンデージャポン?のシーンの繰り返しが見せ方として上手くないから初っ端からテンポ悪いなって思ったもん。後追いで説明される誘拐計画の様子もごちゃごちゃしてるだけでやっぱりテンポ悪いと思ったし、会話もこれまたテンポ悪いしってんでとにかくテンポ悪いなってな印象です。
あとキャラクターも微妙。「女囚」「監獄」「敵を倒すために協力」ってな共通点からごーりきさん主演の女囚セブンが思い出されるんだけど、女囚セブンは最後まで楽しんで見たのに対しこっちはまだ初回であることを差し引いても、女囚セブンのほうがキャラクター性が上だと思う。ついでに言うと『敵』も伊勢谷より高嶋弟のほうがネタとしても上手さとしても上だし。
で、2話からひとりひとりの背景、なぜ監獄に入ることになったのかを描いていくのでしょうが、小泉さんと息子のやりとりを見る限り、話(それぞれの事情)そのものが面白そうな気がしないんだよな。それぞれ事情を抱えた女囚たちがぶつかりあったりしながらなんだかんだで仲間になっていくんだろうけど、女囚セブンのごーりきさんのような飛び道具がいるでなし(そう考えると能面毒舌芸妓(京ことば使い)のごーりきさんって素晴らしいキャラ設定だったんだなーと今更感心)、小泉・森下・坂井のシーンのモタつきを見るにその「なんだかんだ」に期待が持てない・・・。この話の先にあるのがこの1話だと思うと余計に・・・。
クドカン脚本だからこそ集まったメンツでしょうからクドカン脚本でありそれに合った演出でなけりゃ意味ないのでしょうが、骨格はこのまんまでいいから桐野夏生さんのOUTみたいなテイストで見たいなーとか思ったり。


ところで菅野さんが着てた袖口が白いアウターが可愛かったです。あれ欲しい。

『明日の約束』

“明日が来るのが恐いという”という子供たちに対する希望としての“約束”かと思いきや、そっちかー。いかにもイヤミス系女性作家が書きそうな展開に「お!」となったし、明らかに不穏な空気を纏う仲間さんとやっぱり何か企んでるようにしか見えない(というか企んでいて欲しい!)及川ミッチーがいることだし、現在進行形で毒母に縛られ続けている主人公が生徒を次々と“解放”(という名目で代理復讐の道具にする)スクールホラーならわたしの興味度が一気に跳ね上がるんだけど、多分違うよねw。
全体的に息苦しさであり生き苦しさに覆われどんよりした雰囲気だけど、向かう先が「救済」「解放」なのか「復讐」なのか判断がつかないんだよなぁ。あえて判断させないようにしてるんじゃなくて、なにを描きたいと思っているのかが見えてこないように思う。先が見えないことを“売り”にするならもっとそれっぽい作りにするだろうけどそういう感じでもないし。
仲間さん演じる母親の“正体”は気になるもののドラマの縦軸になるであろう仲間さん息子の自殺の真相にはあんまり興味が湧かないけど、方向性がわかるまでとりあえずもうちょい見つづけるかなー。あの時リタイヤせずによかった!って思えそうな気がしなくもないし。