店の個性

ルームフレグランスを探していて、シンプルなパッケージでたくさんの種類がある店があったので入ってみた。値段はそこそこ。すぐに男性の店員さんが話しかけてきて、説明をババっとして、サイズもいろいろあるので、良いかもしれないなとは思ったのだった。これが人気だとか言いながら、蓋をあけて匂いを嗅がせてくれ、一つのアロマのものがほとんどで、悪くはないけど、ピンとは来ない、という感じだった。店員さんが次から次へとせわしなく出してくるのも落ち着かず、落ち着く香りを探しに来てるのに、この落ち着かない感じで選べるか!と思って、店を出た。

しばらくすると、また違う店を発見。種類は少ないけれど、パッケージも高そうだと思いつつ、入ってみた。店員さんはイッコーさんに似た方で、ちょっと匂いをかぎ始めるととてもいい感じ。よく見ると、いろいろとブレンドした香りのよう。ひとつひとつのネーミングもユニークで良い。しかし、これは絶対高いと思って値段を尋ねると、さっきより1.4倍くらいはする。しかし、このブレンド具合といい、「これ自分が全部混ぜてるので、全部オリジナルなので、ゆっくり見ていってね〜」と言ったきり、全く近寄らない接客。うううむ、値段の価値はある。というわけで、さんざん匂いまくっていたが、その間、全く声をかけず。こちらから話しかければきちんと答え製品の説明をする。途中で、かぎ疲れ果てると椅子に座らせてもらったりもした。

というわけで、2本も買ってしまった。ブレンドしてオリジナルな香りであったこと、オリジナルになるだけでなくオイルの持ちが良くなるらしい、そしてこの放置してくれる接客。製品の使い方やアドバイスも的確。こういう店は愛されるだろう。

あるインド人の店では、これまたインド人らしく、ものすごい早口と商品をどんどん広げる接客で、気を抜くと巻き込まれそうになる。喋りがうまいというか、頭の回転が早いというか、堂々としてるというか。トルコ人もぐいぐいくる接客をするので、インドとトルコの買い物はとても疲れるけれど、インドの方がちょいチャーミングな気もする。良いものを持ってるとこも多いので、やっぱり楽しい。この店のにーさんは以前来た私を覚えていたので、ポンポンと来る中ポンポンと返して、そして気持ちよく買う。こういうテンポはタイ人にはない。どちらかというと、大阪の昔ながらの商人っぽい。

面倒くさいっちゃ面倒くさいが、この会話やらが面白くもある。ぼったくりとかいう人もいるけど、正規価格がある国ばかりでないので、場所によって値段が違うのもしょっちゅうある。自分が納得できればそれでいいわけだし、もっと安いところを見つけたなら、次からそこで買えばいい話。固定価格でないからこそ生まれるこの会話は結構楽しいし、店の個性がでてくる個人店はやはり面白い。そのためにも言葉は必須だわ。