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電気メスとシーリングシステムについて

2013-07-05

下の方に手術の写真がありますのでご注意下さい







「より良い獣医医療を」と、当院では開業後すぐに電気メスを導入しほとんどの手術で使用してきました。

この度、より上位機種の電気メスとシーリングシステムを導入いたしましたのでご紹介させていただきます。




ちなみに「電気メス」とは、高周波電流を流して小血管からの出血を抑えながら組織を切開することができます。

またバイポーラピンセットを用いることで、2mmまでの血管からの出血を電気で凝固させることで止血することができます。

これらを使用することで、出血を迅速にコントロールすることが可能になり、手術スピードは飛躍的に早くなります。

麻酔時間・手術時間の短縮、出血量を減らすことで、手術を受ける動物達の負担は小さくなります。



初代の動物用電気メス

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止血機能は満足のいくものでしたが、組織を切開する能力は弱いように感じておりました。




そこで今回「MERA社  MS-BMα」という人間用電気メスの上位機種を新しく導入いたしました。

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大きさは大きくなりましたが、機能にはとても満足しています。




モノポーラでの切開機能




きちんと止血しながら、とても良く切れます。





バイポーラピンセットでの止血機能




組織を焦がすことなく出血を止めてくれます。





上位機種の電気メスにしかない「スプレー凝固」という機能




肝臓などの実質臓器からの出血を止めるのに非常に有効な機能です。





もう一つ新しい機能として、内視鏡で胃や大腸ポリープなどを切除するする「ポリペクトミー」ができます。

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ポリペクトミーの動画










もう一つの新しい手術器具は「リガシュア」というシーリングシステムです。

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リガシュア(ベッセルシーリングシステム)とは最新の血管シーリングシステムで7mmまでの血管を糸を使用せずにシーリングすることができる手術機器です。


人では腹腔鏡手術で使用されることが多いと思います。


導入後、さまざまな手術で活躍してくれていますが、よくある手術での使用例をご紹介いたします。



去勢手術
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避妊手術
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脾臓腫瘍の摘出
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去勢避妊手術では「縫合糸反応性肉芽腫」の予防のために、「体の中では縫合糸を使用しない」手術が可能になりました。


脾臓手術では、脾臓の血管の処理に縫合糸だと20分〜30分かかっていたのが、シーリングだと5分もかかりませんので手術時間の短縮になります。





当院では、これらの新しい手術機器(技術)を取り入れ、手術を受ける動物たちの負担が軽減できればと考えております。