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ひみつ基地

2017-12-31

[]FM81.7「ひみつ基地」放送。 FM81.7「ひみつ基地」放送。を含むブックマーク

古ぼけた校舎は年末で人影もなく、足音ばかりが長い廊下に響く。非常勤講師控え室はかび臭く、動くたびに埃が舞い上がって、それが外からの照らされて光の筋をつくる。

「うわ、ひどいねえここ。中目黒くん、使うんだったら掃除してくれればいいのに」

「余裕がないのです。先生こそ持ち物を整理してください。いくらガラクタの殿堂といっても、これは非道すぎます」

部屋の隅にあるブレーカーボックスを開け、スイッチを入れると、電源が入ったアンプが低い音でうなり出す。

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さて、準備が出来ました。久しぶりの開局です。FM81.7「ひみつ基地」、一年に一度の放送の日がやって参りました。Captain NAKAMEGUROとDJ MIRAKINOの二人がお送りする、モアトーク、レスミュージックのラジオショーでございます。

「先生、ほんっっっっっと、久しぶりですね」

「いやー、帝都の冬ってこんなに過ごしやすかったんだねぇ中目黒くん。雪かきなし、凍結路面なし、なんたって普通のスニーカーで外出できちゃうんだもん、去年までの環境とは大違いだよ」

「相当、苦労されたのですか」

「いや、もともと冬は山に遊びに行くことが多かったから、雪の多さや路面の凍結には慣れているんだ。だから苦労というわけではないけど、2年も住むとね、環境の違いに感動するというか、日本って広いなと思ってさ」

2年間の被災地派遣は、いろいろな意味で自分にも良い経験になった。都市開発の槌音かまびすしい帝都と対極の、街を作り直す巨大な事業が進められる沿岸の街々。そこで営まれるはずの未来は誰にもわからず、街の規模すら保証されない中で事業はじりじりと、しかし着実に進められる。復興事業の進捗は被災した街の願いであり、心のよりどころであり、その遅延は焦燥や、諦観をもはらむ。そういう人たちに寄り添いながら、少しでも自分が役に立てると思われる仕事を進めるのは、技術者冥利に尽きたし、やりがいがあった。

仮の宿として与えられた古いRCのマンションでの寒い冬の朝の記憶である。水の冷たさに抗うように米をとぐ。台所の窓から差し込む朝の青い光。手を休め、ふと思う。平然と日常を送っているこの場所は、いつか過去に住んでいた場所として記憶に残るだろう。ただそれはここだけでなく、帝都の板橋物置部屋にしたって同じことだ。震災からはそろそろ6年が経ち、首の骨を折って5年が過ぎた。

人は時間の中でどんどん変わっていきます。

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3月に派遣の任を解かれ、4年ぶりに帝建に戻ってきました。今度の仕事はロビイストみたいな活動です。

「先生って、本当は何が専門なのですか」

「僕にもわからなくなってきた」

さて、来年はどんな年になるのでしょうか。順調に滑走日数を伸ばすスキーももう少し上達したいのですが、最近はトレーニングで始めたランが高じて、マラソンもある程度記録が出るようになってきました。できればサブ3を狙いたいところです。それと自転車。年明けには灰猫の近代化改修を実施します。それでヒルクライムレース対策にものめり込んでいこうと…

「先生、何を目指しているのですか」

「だって楽しいんだぜ?楽しくて何が悪い」

さて、木下未来的には激動の2017年はこんな感じで過ぎていきます。来年はどんな時間を過ごすことになるのかわかりません。ただ、変化することを肯定し、自分が干渉しうる限り建設的で前向きな未来を迎えられるよう、後ろを振り向かず、常に先の方向を向いていようと思います。年末に送る最後の曲は、同じように未来を楽しもうとしている無名戦士の皆さんに、特にお送りしたい。

希望と、祈りにあふれた生活が、あなたにもやってきますように。

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2017-11-23

[]業務ダイアリー・カバー考。 業務ダイアリー・カバー考。を含むブックマーク

今年も来年の日誌を手に入れる時期である。新宿で、通りすがりにハンズに寄り、迷わずいつもの能率手帳を購入。この手帳に変えてから3冊目である。年々使い勝手を改善してきたので、今や別のフォーマットに変えるのもおっくうである。よっぽどの不便がない限りこのままNOLTYを使い続けるのだと思う。

3回も同じデザインのものを手に入れると若干の変化が欲しくなり、革製のカバーを着けてみることにした。元々能率手帳に着いているビニールのカバーを付けたままその上から全部を包めるサイズのものを探す。スケジュールを書き込むだけでなく、それに関連した集会のお知らせのプリントやら、旅のしおりやら、歯医者の定期検診の葉書やら、靴の修理伝票やらをバンバン挟み込んで使うので、元々のビニールカバーが果たしていたポケットの役割をスポイルしない大きさが必要なんである。フルオーダーすれば自分の望みのサイズが手に入るけれど、出来れば既製品で確保したい。主に財政上の理由で。

探してみると、B5の大学ノートを対象にしたものが多い印象。もう少し大きければ、選択の幅が広がるのだけれど。スケジュール帳のカバーって、ニーズありそうだけど、どうやらそうでもないのかな?

そんな中、良さそうだったのがPORCO ROSSOの革カバーである。他のB5革カバーと比較すると、5mmくらいサイズに余裕があるのと、デザインと機能がシンプルなのがいい。

これのキャメルを購入。

通信販売は発注当日に品物を手に入れられるご時世、朝発注して、夕方には手元に届いた。そのブツに対して、最初にしつけをするのは他の革製品と一緒である。ミンクオイルを塗り伸ばして、染みこませてはまた塗るというのをしばらく続けた後、実際にスケジュール帳に着けて、適度な重さでプレス。次の日の朝には反り返りもなく、いい具合に革が馴染んで中身にフィットした。

以来、朝のスケジュール確認のときにほんのりとミンクオイルの香りがして、一寸背筋が伸びる気がする。

仕事にも遊びにも、鞄に放り込んでどこでも持ち運ぶので、すぐに傷だらけ染みだらけになるのだろうけれど、その変化も楽しんでみよう。ときどきミンクオイルを塗り足しながら。

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Hello Nico。Frecklesとか、9m88とか、最近の台湾POPは侮れない。

2017-08-28

[]東京生活に慣れる。 東京生活に慣れる。を含むブックマーク

日曜日、ヒルクライムレース出走。昨年より30秒近くタイムを落としたけど、原因は解っているので落胆はしなかった*1。帰りは久しぶりの関越道日曜渋滞に嵌まって、そうそう、こんな感じだったよ週末の遠征って、という変なノスタルジーに浸りつつTOKYO FMの「Nissan あ、安部礼司」を嬉々として聴く。換装したばかりのレガシィの電装は、無線の調子が前の装備より格段に良い。ガスの警告灯が点いたけど、どうせ今週末も遠征だし、出撃途中で給油すればいいだろう、と高をくくってそのまま入庫。

明けて月曜日、朝から電話。

「木下先生、ひょっとして寝起きなのですか」

「ん?ああ、中目黒くんか」

どうやら狸穴の控え室は中目黒くんの基地になっているらしく、備品の廃棄に困っている由。好きに使いたまえ、と伝えて電話を切り、朝寝を決め込む。

午後になってから中野隠れ家の近くにあった胡散臭い美容院の移転先に顔を出して散髪。女主人は相変わらず胡散臭く、同じく胡散臭い来客と胡散臭い契約についての会話に興じていた。しかし担当のヘアメイクの仕事は流石な出来映えで、近所の床屋でスポーツ刈にしていればいいかな、という考えを見直すに充分だった。予約は改めて入れることにし、江古田の街をてくてくと歩いて大江戸線に潜る。

そのまま新宿まで出て、新線方面の出口に上がる。京王モールを通り抜け、小田急ハルクからサブナードに出て、アルタ前出口から地上に出る。8月終わりの東京はひとときの猛暑から若干クールダウンして、ぬるい空気が夏の終わりっぽく雑踏の間を吹き抜ける。みずほ銀行の脇に場違いに口を開ける路地をアルタ裏に抜けると、沖縄料理屋がある。食券を買ってカウンターに座る。程なくして出てきたソーキそばに、紅生姜をたっぷりとコーレーグースーをひと掛けして、おもむろにかき込む。ここの料理は飾り立てていない分、プレーンに郷土料理のそのままを味わわせる感じで、悪くない。夏の終わりの宵の口にはぴったりな夕食である。

食べ終わって食器をカウンターの上に上げ、外に出ながら腕時計に目をやると、19時30分である。

さて、これから何をしよう。

the night is still young.

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*1:昨年は単身赴任先で、暇に任せてジムのエアロバイクを高負荷で漕ぎまくっていたのです。