備後落合

備後落合木次線

はてなダイヤラーが選ぶ気になるあの駅この駅100選」を見て、思った。この「備後落合」こそが「気になる駅」だと。



広島県の山奥の駅。乗換駅なのに無人駅。芸備線三次方面と新見方面、それに木次線宍道方面と、3方向に路線が伸びる。


それでも無人駅。
列車は3方向合わせても1日に13本しかない(多客時を除く)。
まわりにお店らしいものを探すと、自販機が2つくらいと、簡易郵便局があった。個人タクシーらしいものもあるが、車はなかった。


ともかく、なんもない。


夏に行ったら、人はいなかったが、セミがジリジリ・・・み〜んみんみんみ・・・ん、と鳴いていた。


川のせせらぎを聴き、深呼吸をした。とても気持ちいい。小さなひまわりが咲いていた。最近流行っているらしい。
構内を見て回る。10年ほど前の時刻表の看板があった。その時はもっと本数が多かった。ついこないだまで新見方面は5本くらいあったが、2本くらい減った。風前の灯。以前使われていたであろう、控え室、信号、引込み線とポイント・・・昔の鉄道と林業の繁栄を、静かに、雄弁に語っている。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」(芭蕉) という句を思い浮かべた。


夏の暑さというハイさと、栄光のあとの滅亡というローさのギャップが、遺跡、戦場跡、廃線跡といったものに哀愁を与えると思う。


・・・さて、そろそろ夏は終わり。連休2つで気分をボチボチと切り替えたい。