無題


 村上春樹の新作が発売日時点で既に第四刷の68万部だそうだ。
 ブログに使う写真を選んでいたら新幹線から撮った利根川(?)河原のゴルフ場が写っていた。春樹の「1973年のピンボール」だったっけか、双子が夕方のゴルフ場でバックギャモンをやる場面が出てきた。ああいう、そこに映像が現れるような、センチメンタルできれいな場面が好きだった。
 私は二十代に読んだ、風の歌+ピンボール+羊、の三部作と、その続編にあたるダンス×3。あるいはそのころに出ていた初期の短編集が、やはり好きだな。もちろん最近のものにも好きなものがあることはあるけれど。十代、二十代に接したものがその後に接したものより特別なのは、作品の問題ではなくこちら側の問題ってことだろう。上記の「映像が現れる」なんてことも、作品側だけの理由だけでなく、読む側の状態(そしてそれを一般化すると年齢との相関も強いだろう)が大きいのだろう。
 昨晩と今日の午後に、清志郎の、数年前にテレビで放送したのを録画しておいたライブ(なにわロックショウ)とか、最近再放送されたSONGSとかを見た。
 この年になっても、音楽から励まされることがある。疲れているときに、音楽が救ってくれることがある。