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2007/03/28 Wed 農業体験実習生 怒りの“告白”

農業体験実習生 怒りの“告白”

北海道経済

http://www.h-keizai.com/article-2007-02/p078-kokuhaku.html

私は町ぐるみでだまされた! 「農家に嫁に来たんじゃない」

「私は農業を体験しに来ただけで、お嫁さんに来たわけじゃない」―農業体験実習生募集の広告を見て大阪から北海道までやって来た女性が、受け入れ先から屈辱的な仕打ちを受け、心に深い傷を負ったまま帰って行った。「農業体験実習」と「農村花嫁」とでは明らかに中身が違うはず。誤解を生じさせる表現で都会の女性を集め、なかば強引に嫁入りを迫るやり方は、人権を踏みにじる、心の詐欺ではないか。


「何も考えずに来てほしい」

大阪府茨木市に住む池田八重子さん(仮名・40歳)は昨年7月中旬、関東・関西方面を中心に発行されているフリーペーパー「ぱど」に掲載された「農業体験実習生募集」の広告を見つけ、応募を思い立った。

募集していたのは北海道上川支庁管内にある人口5000人台の町。同町の農業後継者育成推進協議会の名称で「農業を体験して新しい自分を見つけてみませんか」と呼びかけていた。その協議会の事務局が役場内にあったことから、安心できる組織だろうと判断、まずは詳しい内容を聞くため、事務局に電話を入れてみることにした。

電話に出たのは同町農業委員会の女性職員。池田さんが「農業体験実習生とは具体的にどういうことをするのですか」と訊くと女性職員は「農家の手伝いをする仕事で、農業の勉強会のようなものと想像してください」と答えたという。

池田さんは両親と暮らしており、親には「内容もよく分からず、そんな遠いところに行ってどうするの」と猛反対されたが、「農業を経験することで、将来の自分に何か役立つことが見つかるかもしれない」と夢を膨らませ、その後事務局から送られてきた履歴書などの必要書類に記入し、顔写真を添えて送り返した。

8月2日には事務局から「受け入れ先が決まりました。詳しい内容は資料を送ります」と電話が入り、このとき池田さんは「そこでは何人くらい受け入れるのですか」と訊いた。農業体験実習生なのだから、一度に数人は受け入れるのだろうと思っていたのだが、返って来た答えは「基本的には1人です」だった。

それを聞いて池田さんの両親は余計に不安を募らせ、また池田さん自身の心にも不安がよぎった。「大丈夫なのですか?」。が、電話の向こうの女性職員は「この電話で詳しくお話しするのは難しい。現地で説明するので、今は何も考えずにとにかく来てほしい」の一点張りだった。

「あの時私の頭の中には、農業をやれるという希望的な思いしかなかったので、飛行機のチケットが取れ次第、そちらに行きますと言っていました」―この決断がまさか、とんでもない迷路をさまようことになろうとは、北海道の農家事情にうとい池田さんには知る由もなかった…。

受け入れ先は男所帯だった

この先は池田さん自身の言葉で語ってもらうことにする。

お盆までには現地に入ってほしいと言われていましたが、大阪から旭川までの飛行機がなかなか取れなかったので、8月24日にやっと現地に入ることができました。そこでは電話でやり取りしていた女性職員の方が待っていてくれました。

そこでは「池田さん、大変なことになったのです」が第一声でした。何事かと訊くと、私の受け入れ先だった塩谷さん(仮名・76歳)の奥様が入院中で、いま塩谷さんの家には塩谷さんと息子の隆博さん(仮名・46歳)の2人だけしかいないということでした。

「それでは、男所帯に私が1人で入ることになるのですか」と訊くと、「そうなりますね」ということでした。私が「それは困る」と言うと、「それでは今日は帰ってもらえますか」と言われました。それからしばらく押し問答が続きましたが、もう夜でしたし、帰るといってもどうしようもないので、結局は塩谷さんの家に行くことになりました。

「男所帯に女1人、もし間違いがあったらどうしてくれますか」と言うと、「塩谷さんはいい人だから大丈夫。あなたが想像するようなことは絶対にない」と言われました。「もし何かあったら私に電話してください」とも言われましたが、何かあった後なら遅いのです。私はもう、出口の見えない迷路に入り込んだようなものでした。

実は池田さんはこの時になってもまだ、自分が“花嫁候補”になっていることに気がついていなかった。

農業体験実習生募集の広告には一言も“花嫁募集”とは書いていなかったし、役場から受け取った案内書にも「北の大地北海道で、農業を体験して新しい自分を見つけてみませんか」となっているだけ。まさか自分が“農村の花嫁”に応募したとは考えてもいなかったのである。

「実習生とは、この町では嫁さんのこと

役場の方の車に乗って塩谷さんのお宅へ行きました。お父さんと息子さんが玄関先まで迎えに出てくれていて、息子さんは私の荷物を持ってくれるなどいろいろ気を遣ってくださり、優しそうな方でした。でもその優しさはどう見ても「嫁さんが来た」という感じなのです。

すぐ夕食をいただくことになりましたが、息子さんはお刺身の正油を注いでくれたり、おかずを取ってくれたり、何かと面倒を見てくれましたが、それは私にしてみれば、親切にされたというより、ベタベタされたという感じでした。

そのうちお父さんが「実は今年5月から役場に嫁さんを頼んでいたんです」と言い出したものですから私はびっくりして「私は農業実習に来たんです。お嫁さんに来たのではありません」と言い返しました。でもお父さんは「実習生というのはあくまでも表向きで、この町では嫁さんということなのです。あなたは何を言っているのか」と取り合ってもくれませんでした。

しかも「息子が、あなたの履歴書の写真を見て気に入ったからOKを出した。役場もOK、私もOK。何でそんなに実習生にこだわるのか。農業が好きなら、この町がもってこいではないですか」とまで言い出す始末でした。

8月24日の木曜日に来て、2日後の土曜日には町のお祭り(町民運動会)がありました。息子さんが役員をやっているということもあり、また他の実習生も参加するということだったので、私も参加しました。でも実習生は誰一人来ていませんでした。

そのお祭りで私は、塩谷さんの親戚という人たちに「うちの嫁さんです」というような感じで紹介されました。そのことにすごく違和感を覚えたものですから息子さんに「もう誰にもあいさつしたくない」というと「それは困る。とりあえず頭だけでも下げておいてほしい」と言われたので、仕方なく頭だけ下げるようにしました。

それでもその時お会いした皆さんは明らかに、私が塩谷の息子さんのお嫁になるんだというような目で見ていました。「私はお嫁さんではない、農業実習生だ」と何度心の中で叫んでいたことか…。

部屋に入ってきてキスを求められた

「許されるものなら、もう大阪へ帰りたい」―池田さんは悩みに悩んだ。しかし親の猛反対を押し切って出てきた手前、2日や3日でしっぽを巻いて帰るわけにもいかない。しかし「町ぐるみでだまされた」という思いは日増しに強くなっていった。

決定的な出来事があったのは3日目の夜だった。

塩谷さんの家はとても大きく、部屋数もたくさんありました。私は2階の部屋を与えられていましたが、息子さんの部屋も同じ2階にありました。カギのかかる部屋ではなかったので、息子さんが黙って入ってきました。少しお話をしているうちに息子さんがキスを求めてきたのです。

私が「困ります」と言うと息子さんはびっくりしたような顔で「なんで拒否するの、実習生で来ていながらなんで?」と逆に私を責めるような感じで言ってきました。「私は農業実習に来ているのです。勉強しに来ているのです」と言い返すと「あなたにはそういうことでなく、この町や家のしきたりを学んでほしい。役場も父もそれを望んでいる」と言い始めました。

農業実習生募集の話とまったく違うので私はカチンときて「恋愛感情もないのにキスなどできません。結婚が決まったわけでもありません」と強い口調で言うと今度は「3年前に実習できてくれた女性は受け入れてくれた」と言い出す始末でした。

私はもう耐え切れなくなって、塩谷さんに息子さんのことをお話しすることにしました。でもいざお話しするとなると、なかなかキスを求められたことは話しにくく、結局、洗濯物が干してある私の部屋には入ってこないようにしてほしい、それができなければ私の受け入れ先を変えてほしい、というようなことを話しただけで終わりました。

でも、息子さんは父親には頭が上がらなかったようで「なんで親父に言うの」としょげていました。

耐え切れず1週間で荷物をまとめる

父親から話してもらったこともあって、それから2日間ほど池田さんは穏やかに過ごすことができた。しかし肝心の農業実習は1度も体験する機会がなく、塩谷さんの家で家事手伝いのようなことばかりさせられていたという。

しかし、池田さんの話には理解を示してくれた父親だったが、池田さんはあくまでも息子の嫁に来た人だという認識を変えることはなかった。「あなたは役場を通してきている人だから結婚するのは当たり前」という考え方で、「3年前の人は息子の方が断ったけれど、今度は親戚を集めて息子を説得するから、なんとしても結婚してほしい」の一点張りだったという。

息子さんも一時は、もうキスを求めたりはしないと言っていましたが、夜になるとやはり関係を求めてきたのです。私が断ると「じゃあマッサージをして」と言ってきました。それもお断りしたのですが、それでもなかなか部屋から出て行こうとはしませんでした。

仕方なくお話だけして時間を過ごしたのですが、息子さんが一方的に話してきた内容に、私は愕然とするものを感じました。

まず私に「男性経験があるか」と訊いてきて、私が「あります」と答えると、3年前に実習で来た女性のことを話し始めました。その女性は男性経験がなかったそうですが、体を求めたところ相性が合わなかったと言うのです。そんな聞きたくもない話をかなり具体的に聞かされましたが、あれは完全なセクハラだったと思います。結局その女性とは結婚する気にはなれなかったと話していましたが、私は「この人は女性の体を試してから牛・を決めるつもりなのか」と思い、ぞっとしました。

次の日、私は荷物をまとめ始めました。もう耐えられないと感じたからです。実習期間の約束は2ヵ月でしたが、一日も早くこの家を出て行きたいと思いました。塩谷さんの家でお世話になってから、まだ1週間しか経っていない時のことでした。

別の受け入れ先からも追い出され…

大阪から北海道の片田舎に農業を体験しにやってきた池田さん。思い描いていたこととはまったく違う出来事に直面し、とうとう受け入れ先を出て行かざるを得ない状況にまで追い詰められ、心には深い傷を負ってしまった。

そのまま大阪へ帰る道もあったが、さすがに1週間で逃げ帰るわけにもいかず、塩谷さんの家を出てから役場に向かい、農業体験実習の担当課長に相談してみることにした。

相談を受けた課長も初めは「帰るなら帰ってもいい」とつれない返事だったが、池田さんが「別の受け入れ先を探してほしい」と熱心に頼み込むと、「それでは探してみるから、とりあえずは私の家へ」と言ってくれ、その後2日間は課長の家に泊まらせてもらった。

新しい受け入れ先が決まったのはそれから3日目のことだった。牧場を手広く経営する外山正雄さん(仮名)という農業に関わる組織の会長を務める人のところで、受け入れた外山さん夫妻も決して大歓迎というわけではなかったが、とにもかくにも池田さんは自分の居場所を見つけることができた。

そこでは朝早くから夜遅くまで酪農の仕事を手伝った。畑仕事を頭に描いていた池田さんにとって酪農は予想外だったが、やっと農業実習らしい仕事ができたことを心の底から喜んでいたのである。

しかしその喜びも長くは続かなかった。外山さんが作業中の池田さんに対しセクハラまがいの行為をするようになり、それを見かねた外山夫人から、「あなたがここへ来たから悪いんだ」というような逆恨みを受けることになった。

しかも外山さんの知り合いという46歳の独身男性を無理やり紹介され、池田さんが「私はここで結婚する気はない」と言うと「この町に来るということは農家の嫁になるということだろう」と憤慨し、「結婚する気がないのなら、もう面倒は見られない。出て行ってくれ」と言われる始末。外山さんの家に来てからまだ2週間しかたっていない時のことだった。

突然「出て行け」と言われても、夜も9時を過ぎていた。外山さんからの電話で駆けつけてきた役場の課長と農業委員会の女子職員の勧めもあって、その夜は町内にある温泉で一泊することになった。

町ぐるみで騙され傷心のまま帰郷

温泉で一晩過ごした翌日、池田さんは「やっぱりもう大阪へ帰ろう」という気持ちになったが、「結局はこの町にだまされたのだ」という意識が強く働き始め、苦情の一つでも言ってから帰ろうと役場を訪ねた。

しかしその役場でも対応はつっけんどんなものだった。

「農業体験実習というのはそういうもの。農家なんて一人でできるものではない。農業をやりたければお嫁さんになるしかない。どうしてそういう想像が働かなかったのか。想像力が薄いあなたの方が悪い」

つまりは、だまされた方が悪いということなのである。

池田さんは、傷ついた心が癒されることもなく帰途に着いたが、飛行場のある旭川に来た時、たまたま出会った人からいろいろな助言を受けることになった。

「泣き寝入りして帰るのでなく、あなたが体験したことを洗いざらい話して、詐欺同然の農業体験実習の実態を改めさせるべきだ」という言葉に勇気づけられ、池田さんはその後、旭川市内のビジネスホテルや下宿マンションに泊り込み、上川支庁や人権擁護委員会、労働基準監督署など関係機関に相談を持ちかけた。

また、農業体験実習の1日の報酬としてうたわれていた3000円という金額が、最低賃金法に違反するのではないかという訴えも労基署に起こしたが「貴殿の作業形態はあくまでも実習であり労働とは確認できない」という回答が届き、不服があるなら民事裁判を起こすようにという申し添えがされていた。

その後も池田さんは、積もり積もった不満を受け止めてもらおうと、関係機関にあらゆる手を尽くしたのだが、結局何の打開策も見い出せぬまま北海道を後にすることになった。

本誌記者が、途方に暮れていた池田さんから長時間にわたって詳細を聞いたのは昨年の12月12日夜。「明日の便で、大阪へ帰る」という時だった。

「私は町ぐるみでだまされました。私のような辛い思いを味わう人がこれ以上出てこないように、農業体験実習という名のもとに行われる、人身売買のような卑劣な実態を明らかにしてやってください」。池田さんの目には悔し涙があふれていた。

他の市町村にも似たようなケース 誤解を招かない募集に改めるべき

道内の市町村には「農業体験実習」ニ同様の、あるいは似たような制度がいくつもある。いずれも自治体が協力し、農協や農業委員会が受け入れ体制を整え、主に本州方面から女性を募集している。

中にははっきりと「農村花嫁募集」とうたっているのもあれば「農業の担い手女性募集」というようなあやふやな文句で済ませているものもある。しかしこのような表現があるならまだしも、「農業体験実習生募集」とだけ打ち出し、具体的に何がねらいなのかをはっきりさせていない募集案内も多い。

ここに取り上げた上川管内の某町の募集案内を見ると「北海道で農業を体験して新しい自分を見つけてみませんか。農業をあなたの目で見、手で実感して農村生活を満喫していただきたく、農業体験実習生を募集しています」として、募集の対象を「20歳から40歳までの独身男性・女性(学生不可)」としているだけで「花嫁募集」の意味合いとはほど遠い。

池田さんの「募集内容と実態が違う」という悲痛な訴えに、募集した側は「あなたの想像力が薄い」と応じたようだが、想像力を働かさなければならないような募集方法は、巧妙な詐欺行為のようなものはないか。

自治体の上部機関である支庁も「自治体のやっていることで、それぞれの判断に委ねるしかない」と指導に乗り出す考えはないようだが、いかに後継者不足の農村であったとしても、誤解を招きやすい表現で「花嫁募集」を行うことは許しがたい行為だ。

花嫁不足に悩む農村にはどうやら「来てしまえば、こっちのもの」という考え方があるようで、一歩間違えば池田さんもそうなっていたかもしれない。現実に「できちゃった結婚」のケースも多いと聞く。

町ぐるみ、農村ぐるみの非常識をこのまま見過ごしていては、北海道全体の信用問題にもなってくるのではないか。くれぐれも、誤解を招かない方法で分かりやすい「花嫁募集」を行ってもらいたい。

(村上)

Webの情報を総合すると,美深町のことらしい。

美深町オフィシャルホームページ-農業体験実習

http://www.town.bifuka.hokkaido.jp/web/PD_Cont.nsf/0/952780048AAF21FD4925710F001B89D8?OpenDocument


北海道には他にも農業体験実習を行っているところがあるが,中にはあからさまに対象を「独身女性」に限定するところもある。

新冠町で農業体験実習生募集中=北海道で農業を始めるサイト=

http://ninaite.or.jp/osirase/061003_nikkapu.htm

http://www.koukeisya-niikappu.jp/youkou.htm

http://www.koukeisya-niikappu.jp/youkou.htm

URLが変更になっていた。

ドメイン名は,ninaite(担い手) から, koukeisya(後継者)へ。

より分かりやすく,直裁に。これなら問題ないか!(ないのか??)

農業体験学習生募集条件(新篠津村)

http://www.ja-shinshinotsu.jp/taikensha/taikensha_2.htm

斜里町 =北海道で農業を始めるサイト=

http://ninaite.or.jp/osirase/060815_syari.htm


中でも,小平町ではご丁寧に「独身女性」の部分が赤字になっている。

農業体験実習生募集

http://www.obira.on.arena.ne.jp/nougyou-iinkai/n-taiken/nougyou-taiken.html

直前の「理解しょう」という誤字の訂正すらできないのに,すごい配慮ぶりだ。

http://www.obira.on.arena.ne.jp/nougyou-iinkai/nougyou-taiken.html

赤字にするのは止めたようである。「理解しょう」という誤字はいまだに訂正していないが。

美深町も現在は「男女」になっているが,下記を見ると,最近まで「独身女性」に限っていたようである。

交流事業実施市町村

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sk/ckk/uiturn/community1.htm


レディースファームスクール研修生募集要項

http://www.town.shintoku.hokkaido.jp/03_Nourin/lfs/lfs_bosyuu_4.asp

http://www.town.shintoku.hokkaido.jp/03_Nourin/lefs/lfs_bosyuu_4.asp

一日2000円の手当では,実働20日とすれば,必要費用を天引きされると,8000円しか残らない。

「スクール」という形式をとってはいるが,仮にこれを「労働契約」ととらえると,著しい人権侵害だろう。