三鷹食堂日記帖

飯食い酒飲み自転車をこぐおやぢの日常。MT車大好き。

「ブラックホーク・ダウン」の教訓

この戦闘のおかしさ(すなわち悪夢性)は、アメリカ軍基地から直線距離でたった3マイルの地点で行われたということ。徒歩でもいける距離だ。現に最後の撤退で、負傷していない兵は、完全装備のまま、たったか走って基地まで戻って来ている。にもかかわらず、兵達は敵の真っ只中で一夜を過ごさざるを得なかった。1日足らずの戦闘で、99名中18名が戦死し、数十名が負傷した。ただの兵じゃない。米軍戦闘部隊のエリート中のエリート、レインジャーとデルタフォースだったにもかかわらず。
軍隊の目的というのは何だろう? まず敵を殲滅すること。その後に秩序をもたらすことだ。ソマリアの米軍は、敵(アイディド派)を殲滅するどころか、「正当防衛」以外の戦闘も禁じられていた。にもかかわらず、秩序をもたらすことを求められていた。だから、敵が事実上支配している都市のすぐそばに、米軍が駐屯するという珍妙な光景となる。彼我の戦力差が圧倒的だから、だが、そんなものは状況次第で簡単に逆転する。例えば状況:「ブラックホーク撃墜」。
結論。中途半端な意図で軍を使ってはいけない。軍を使うのは、徹底的にやるときのみ。(その意味において、リトル・ブッシュがイラク戦争を遂行した方法は「正しい」)