いやあああああああやめてえええええええ


まずはお見合いおばさんを復権させることだ。「もう、ほんとにお節介なんだから」とか言って排斥するのは、もう金輪際なし。世間はもっと、結婚していない男女に干渉することを、積極的に奨励し、そういう人を称揚するようなシステムを作った方がいい。



「あらあんたまだ結婚してないの?(心からの驚愕)」

「えーっ!(白い目)」

「どうして?(糾弾するような言い方)」

「仕方ないなあ(上から目線)」

「じゃあ来週の日曜日開けておいて(有無を言わさぬ口調)」

「あなたにぴったりの人がいるのよ(自動化された、感情のこもってない語り口)」

「これでもう大丈夫よ!(私がいなかったらどうなってたのかと言わんばかりの)」



これくらいは受容されるべきだ。あるいは30を越えて結婚してない男女には、年に一度の割合で、役所の職員が訪問するなりして、「あなたはなんで結婚しないのですか?」「する予定はないのですか?」といったことを聞き取りするのもいいだろう。拠ん所ない事情で結婚できない人以外には、これくらいのプレッシャーをかけた方がいい。

いやあああああああやめてえええええええ。心の底から迷惑だからやめてえええええ。
たとえ冗談でも(←ここ重要)ものすごく気持ちが沈むわ、こういうのを見ると。「全人類が異性愛者で、かつ、みんながみんな結婚したくてしたくてたまらない」という前提がもしあるのなら、「お見合いおばさん」やら「役所のプレッシャー」やらにも意義はあるでしょうよ。でも、実際にはそうじゃないんだもん。あたしみたいな同性愛者にとっては嫌がらせでしかないわよこんなシステム。素手で毛虫をわしづかみするより気持ち悪いよコレ。
もしかしたらセクシュアリティは「拠ん所ない事情」のうちにカウントされてるのかもしれないけどさ*1、それをこうるせえお見合いおばさんだのお役所だのにいちいち自己申告しろとでも? なんで自力じゃパートナーも見つけられない異性愛者様ご一行のために、そんな大切なプライバシーを暴かれなきゃならんの? ド田舎だったりしたら、どんな嫌がらせされるかわかんないってのに?

つーかさー、異性愛者にとっては視界360度全方位がハッテンバでしょうが。ゲイやレズビアンと違い、職場だろうと学校だろうと家の近所だろうと石を投げれば同じセクシュアリティの人に当たるわけでしょうが。おまけにドラマでも映画でも小説でも漫画でも「男女恋愛はこうですよー」「男と女は魅かれあうんですよー」と幼少時からみっちり英才教育*2。そんな環境にいながらボヘーッと鼻ほじりつつ「パートナーができませーん。誰かお節介をやいてパートナーをあてがってくださーい」(イメージ)って、異性愛者(の一部)ってのはくさったしたいか何かか。いや、くさったしたいの方が、自力でちゃんと動くだけマシか。とにかく、くさってようと糸引いてようといいけどさ、自分たちがサカる相手をうまく見つけられないからって、いちいち人に多大な迷惑をかけんなよと。全人類が異性愛者なわけでもないし、全ての人が結婚したがってるわけでもないんだよと。
もう一度言うけど、たとえ冗談でもものすごく嫌なんですよ、こういうのって。こういうプレッシャーが嫌で、家族や親戚と縁を切ってわざと遠くで暮らしてる同性愛者だっているっつーのに、これ以上追い込みかけんなよと。ああもう、ほんとに嫌。嫌だったら嫌。やめてくださいよマジで。

*1:だとしても「結婚できない」って言い方はすごく変。同性婚を認めないのはヘテロの側であって、別にうちらの事情で結婚「できない」わけじゃないんだから。

*2:その英才教育のプレッシャーで恋愛に対して構えちゃって、かえってパートナーができないとか恋愛自体が嫌になるってことはあるかもしれませんが。でもそういうプレッシャーをかけてるのだって結局は異性愛者なんだから、ヘテロの尻はヘテロが拭えよ。いちいち他のセクシュアリティの人間まで巻き込まずにさー。