ゲイの男子大学生は成績優秀、一方バイセクシュアル女子学生は残念な結果に(追記あり)

米国のEconomics of Education Review誌に最近発表された研究で、

  1. ゲイの男子大学生は異性愛者の男子学生より学習意欲が高く、成績も良い
  2. レズビアンの女子大学生は、ヘテロ女子の大学生と比べて成績が良くも悪くもない
  3. バイセクシュアルの女子大学生は勉強に費やす時間が短く、成績が悪く、学業への満足度が低い

という分析結果が示されているというニュース。この研究を行ったのは、カリフォルニア大学アーバイン校のChristopher S. Carpenter氏。論文のアブストラクトが、Science Directで読めます。

この研究の結果では、ゲイの男子大学生は異性愛者の男子大学生よりも学業成績を重視する傾向にあり、成績の平均も異性愛者男子より2パーセント高かったとのこと。ちなみに「学業成績は大切」と答えたゲイ男子生徒の数は、ヘテロ男子の1.41倍だったそうです。
また、ゲイの男子大学生はヘテロの男子大学生に比べ、ボランティア活動や学生団体の活動に費やす時間が40〜50パーセントほど多かったとのこと。さらに、「問題について話し合うことのできる大学職員や管理者がいる」と答えたゲイ生徒の数は、ヘテロ男子生徒より13パーセント多かったそうです。

では女子生徒はどうかと言うと、バイセクシュアルの大学生(圧倒的に女子が多数)は他の性的指向の生徒に比べて大いに成績が悪いことが発見されました。バイセクシュアル生徒は勉強に費やす時間が有意に少なく、またバイセクシュアルの女子生徒は、他の女子生徒ほど成績を重視していないことがわかったそうです。ちなみにレズビアンに関しては、異性愛者女子と比べて特に成績が良くも悪くもなかったとか。

この研究は、ハーバード大学公衆衛生大学院によるSexual Orientation and Outcomes in College from Harvard School of Public Health College Alcohol Studyという研究の、120校の大学の計40000人以上の生徒を対象としたデータに基づいています。日本の大学にそのまま当てはまるとは限りませんが、興味深い結果ですな。

なお、上記を読んで「バイセクシュアルをバカにするな!」「私はバイセクシュアルですけど大学の成績はよかったです!」などとあたしに噛みつかれてもたいへん困ります。Science Directに掲載されたAbstractには大学の住所も研究者のメールアドレスも明記されているので、苦情はぜひそちらにどうぞ。

追記(13:45)

ブックマークコメントにお返事。


pQrs pQrs ゲイが褒められてる感じだけど、なんか嬉しくない。あとこれって多分「カムアウトしている学生に限った」データだよね。 2009/06/09
カムアウトというより、アンケート中の「生涯のセックスパートナーの性別」という項目への回答で回答者の性的指向を判断したということらしいです。アブストラクトだとこうなっています。

We identify sexual minorities by using responses to questions about the sex of the respondent's lifetime sex partners.

単語・語句など

単語・語句 意味
above-average 平均以上の、並外れた
Behavioral 行動の、行動に関する
connectedness 結合、関連、関係
outcome 結果
demographic 人口統計の
student organization 学生団体