同性愛が不自然だと言っているのは、生物学ではない。あなたでしょう?

Togetter - まとめ「ピクシブ腐問題を受けてナマモノ腐者からのひとりごと」を読んでて、本題とはちょっと違うところでびっくりすることがあったので、以下引用。強調は引用者によります。


「何故腐ネタが叩かれるのか」を考えるのも大事ですが、「何故、腐ネタを描く人の多くがそれを隠したがるのか」を考えるのも大事なのではないでしょうか。「攻撃される」=「それを不快に思い傷つく人がいる」という事ではないでしょうか。最近は同性愛への理解も深まり性の自由に肯定的な人も増えてきましたが、生物学的に不自然な性行動に対する嫌悪感は生理的なものです。 皆さんおっしゃるように、これはとても…とてもデリケートな話だと思うのですよ。
chun_tanaka 2010-04-20 18:00:35

えええええー。「生物学的に不自然」って、どこの惑星の生物学ですかそりゃ。
と思ったら、同じ方の発言に、


なぜ私がこんなにも真剣にこのことについて考えているかというと、私自身が同性愛者であり、「そうである事を差別される側の人間」であるからです。決してホモフォビアなのではありません。むしろ、今回議題になっているように「実際にはそういう事実のない人を同性愛者であるかのように描く」事が、それを見る人に強烈なホモフォビア感情を湧き起こす可能性が高いものであるのを不安に思うのです。
chun_tanaka 2010-04-20 17:50:29

というのがあって、二度びっくり。「私自身が同性愛者であり」? それで、その認識? ええええええー。

さて、ここで実際に生物学者が同性愛についてどう言っているか、動物の多様な同性愛と「超個体」 | WIRED VISIONから引用してみましょう。


よく知られていることだが、動物界にはオス同士、メス同士の性的行動があふれている。ミバエにバンドウイルカ、そしてもちろん、ホモ・サピエンスもだ。
[Wikipediaによると、交尾に限られない、同性愛的行動が1500に近い動物種で観察されているという。ニホンザルボノボ、ゾウ、ライオンなど、多数の具体例が紹介されている]
しかし、同性愛の起源や進化の結果は多様であるにもかかわらず、生物学者はこの種の行動を単純に考える傾向がある。カリフォルニア大学リバーサイド校の生物学者Nathan Bailey氏とMarlene Zuk氏は、16日(米国時間)に『Trends in Ecology & Evolution』誌に掲載された同性愛についてのレビューでこう論じている。
Bailey氏とZuk氏によると、最近の研究は、単純な生物的なメカニズムによる説明(例えば、ミバエは互いを匂いで認識し、その能力も秀でているわけではない)を超えて、「パラドックスとしての同性愛」に焦点を当てているという。そういった研究では、同性愛を一種の適応と解釈している。その目的は、社会的なつながりを強化したり、性的な争いを減らしたり、求愛のテクニックに磨きをかけたりすることだ。

はい、太宰メソッド発動。

「同性愛が“不自然”だと言っているのは、生物学ではない。chun_tanakaさん、あなたでしょう?」
これだけ性的指向に関する情報があふれている時代に、まさか同性愛者を名乗る人が「同性愛=生物学的に不自然」説を信じてることがあるだなんて、思いもよらなかったわ。しかもそれを根拠に、「(同性愛への)嫌悪感は生理的なもの」なんていうホモフォーブ御用達の論法を繰り広げてるだなんて。世界は広いわねえ。あたしのようないちレズビアンがネットの片隅で小地味にLGBTニュース紹介なんかやってたって、焼け石に水だわね、こりゃ。