スペインのリゾート地でぼうぼう

コカイン・ナイト (新潮文庫)
バラード"コカイン・ナイト"を読んだ。俺の中でのバラードとは"ヴァーミリオン・サンズ"なわけで、プロットとかキャラクターどうのというより喚起されるイメージの強烈さが魅力だと思っていたが、この本は普通といえば普通だ。読みやすいし、言わんとしていることがはっきり書いてあって、理解しやすい内容だったと思う。もっと深読みすべき仕掛けになっているのかもだが、一読した感じはそう。どうもハリウッドですぐにでも映画化されてしまいそうな感じがする。"ハイ・ライズ"は絶対映画にならんだろうからなあ。
主人公の一人称で書かれているんだが、途中で今回のテーマの代弁者みたいな人物に洗脳というか、感化されて、考え方が変化していくところが面白い。俺もすぐに人とか本に影響されて考え方変えてしまうので、納得出来る感じがした。思想哲学が一人の人物により貫徹されるのが良いようなふうに思われるが、そんな人ばかりでは困る。
しかし、思い直してみると、バラードの小説は別に昔から分かりやすいか。