昨日のこの日記で、「かんべえ」さんの「不規則発言」に触れたら、
今日の産経新聞「正論」では、
その「かんべえ」さん(吉崎達彦 双日総合研究所副所長)の論評が掲載されていました。
題名は、『「アベノミクス」は日本を救うか』です。
余談ですが、この題名は、「かんべえ」さん御自身の著書、
「オバマは世界を救えるか」(新潮社)を連想させるものがあります。
話が横道にそれました。
今日の正論を読んで、「なるほどそういうものか」、と思ったことは、
理髪店で髪を切ってもらっている最中に、
「日本銀行はもっと積極的に金融緩和すべきではないか」と話しかけられことを契機に、
これまで、リフレ(通貨再膨張)政策の是非は、
ごく狭い世界の神学論争の様相を呈していたけれども、
衆議院選挙期間中に自民党の安倍総裁が、
「2%のインフレ目標」や「大胆な金融緩和」を言い出してから流れが変わり、
「床屋政談」でも金融政策が語られるようになったという指摘です。
そして、論評は次のように続きます。
ちょっと長くなりますが、引用させていただくと、
『金融以外の世界において「物価はいかにあるべきか」が
語られることはあまりないだろう。
物価は安い方がいい、というのが世間一般の感覚である。
ところが、ここへきて、「毎年1%のデフレよりも2%程度のインフレの方が好ましい」
という常識が広がりつつある。これは勿怪(もっけ)の幸いというものであろう。
物価を左右するのは、人々の「期待」という目に見えないものであるからだ。』
『金融緩和の提唱は「アベノミクス」と呼ばれ始めている。
折もよく、選挙の少し前くらいから為替レートが円安に向かい始めた。
円高が進む局面においては、政府による「口先介入」もさほど効力を発揮しない。
ところがトレンドに沿った要人発言はよく効く。
結果として、アベノミクスが円安と株高を同時にもたらすような形になった。
選挙が自民党の大勝利に終わり、
日経平均が1万円台を回復するに至っては文句のつけようもない。
アベノミクスは幸先のよいスタートを切ったのである。』
この中で、私が学んだ教訓は二つ。
1 物価を左右するのは、人々の「期待」という目に見えないもの。
→ 大事なことは目には見えない。
2 トレンドに沿った要人発言はよく効く。
→ リーダーが発するべきは、(実現可能な)「目標」(or「信念」)である。
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