「太陽」

http://taiyo-movie.com/

ロシアの監督が昭和天皇を題材に映画を作り、高い評価を受けたという話題作。なんだか以前は「日本での公開は無理」と言われていたらしいですが、どういう流れがあったのか、こうして見られることになりました。


内容の前にとりあえず「混みすぎ!」と言いたいです。銀座シネパトスですが、上映館が少ないということもあって、ついたときには長蛇の列。指定席が売切れでした。映画の立ち見なんて何年ぶりだったかなあ……。これだけ需要があるのならもっと幅広く上映されても良いような気もしました。


で、作品ですが良くも悪くもあくまで「芸術作品」という感じでした。画面は色彩薄く、まるでモノクロ作品を見たかのような、あるいはどこか遠い夢であるかのような暗い印象。その中で時間軸もいまいち不明分のまま、昭和天皇の心情行動が映されていきます。「ノンフィクション」では無く「事実を元にしたイメージ」ですね。歴史的に言えば嘘っぽいですが、まあそこはそういうものだということで。前半は重苦しいですが、後半は割と笑える場面もありましたよ。チョコレートとかチャップリンとか。


イッセー尾形さん演じる昭和天皇の物事への受け答えがいちいち微妙にずれていたりして、一歩間違えるとただの変な人で終わりそうなところ、ギリギリの線で収まってはいます。でも、やっぱり違和感はあるかなあ……。外国人ではなく、日本人が自らの手で昭和天皇を語る映画は、まだ作れないのでしょうか?

うたわれるもの 第18話「解放軍」

今回もカルラさん大活躍。途中から出てくるにしては、色々と扱いの良いキャラではあります。


捨てたはずの故郷の苦難に、身をかけ正装でハクオロに頼み込むカルラ。その後のハクオロは襲われ危ないところでしたが、ここはエルルゥのおかげで助かりましたね。後ろ向きに階段を下りていくエルルゥの「間」が絶妙でした。


とりあえず協力までは同意したものの、そこはハクオロも一国の皇、軍を動かすまでのリスクはとれず、偵察と、まあ武器供与くらいはしたんでしょうが、最小行動にとどめます。抑制が効いた当然の反応ではありましたが、それで引っ込まないのもカルラというキャラ。ハクオロを簀巻きにしてお持ちだし。……これ絶対犯罪的だと思うのですが。ウルトリィやエルルゥ、ユズハらまで「旅行」ということでついてくる話になるのはまるで前回のコメディ調が残っているかのようで、楽しいですが無理を感じないでもありません。戦力だけならカルラ本人に加え、トウカとウルトを引っ張っていくくらいで十分のような気もしますしね。


「旅の傭兵団」として叛乱軍に合流しようとするハクオロ達ですが、ここでも老臣に対するカルラの言葉がかっこよい。また、これまでデタラメな強さとして見せられてきたカルラの力がギリヤギナ族固有のものであることが明かされ、さらに一族がその力ゆえにおごり、苦境に陥ったことが語られます。この辺の設定の仕方がうまいよなあ、と思いますね。あとは、ウルトリィの飛翔と術法がさりげなく初登場でした。こちらも一瞬ながらかっこよかったです。