Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第15話「神話の対決」

この回が来ることを待っていた反面、来ないでほしいと願っていたような気もします。バーサーカーの敗北、そしてイリヤの死。その過程では、前回の聖杯戦争から今回に至るまでのイリヤの軌跡も描かれました。戻らなかった両親。どういう形で伝えられたのかイマイチわかりませんが、アイリスフィールの死と、切嗣の「裏切り」という話、さらにアインツベルン家の妄執が、彼女の心を次第に蝕んでいったのですねえ。あの黒黒しい、アイリスフィールの形をしたものは何だったのでしょうか? 怖い怖い。アハト翁がもうちょっと可愛がってあげれば良いのに、あの家ではそんなものを期待するのは無理なんでしょうねえ。


そしてバーサーカーとの契約。セラは最初のほうが表情豊かに見えますが、イリヤに小言を言うようになった現在のほうが親しくなっていた、というようにも感じられます。


ただ、ここでの「最終試練」の状況はいささか場面をすっ飛ばし過ぎにも見えましたね。いきなり「バーサーカーを捨てて来ちゃった」とか言われても困ってしまいます。オオカミに追われるイリヤについても、魔術を使って追い払えば良いように見えてしまう。ここの演出はちょっともったい無いなあ。BDでは追加シーンがあったりするのでしょうか? ただ何にしても、イリヤバーサーカーの絆は胸を打ちます。


そして、ギルガメッシュバーサーカーの激戦。いや、それは激戦ではあっても一方的な戦いでした。バーサーカーの肌をも貫く宝具の連発に、彼は為すすべがなく命を削られていくのみ。う〜ん、しかしこうしてみますと、ギルの戦いって、宝具の展開と発射は派手なんですが、本人はほとんど動かないので肉弾的には少し地味ですな。バトルという面では期待が大きすぎたかも。とはいえ、とにかくギル様は強い、強すぎです。


やがて天の鎖に絡め取られるバーサーカー。そして、あっさりと切り伏せられたイリヤ。原作の時のように心臓を抉りだすとまではいきませんでしたが、あえない最期でした。嗚呼。


分かっていたことではありますが、UBWはあくまで士郎と凛の物語なので、Fate/Zeroから継続してのイリヤの物語としては相性が悪いんですよね。彼女は結局何も果たせずままに終わってしまう。もちろん、Zeroと本作は制作会社が同じでも別作品ではあるので、そこまで考慮してもしょうがないのかもしれませんが。


ここはもう、セイバールートを見直すか、プリヤで癒されるしか。