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置き場

2013-04-25

『地道戦』中盤 感想

17:19

感想


 前回、村を救う希望となるはずだった「地道」は、あっさり日本軍に弱点を看破されてかえって村人を危機に陥れてしまった。だが、失敗したからと言って、必ずしも間違いだったわけではない、やり方がまずかったのだ。


 嵌訶舛僚顱廚ら秘策を得た!→⊆孫圓靴討澆植失敗した!→い海諒法はだめなのかと落ち込む→イい筺△發Π貪戞嵌訶舛僚顱廚鬚茲読んでみよう→Σ良だっ!


という展開。定石しか踏んでいないが、物語としてメリハリのある実に良くできた骨組みではないだろうか? 一言付け加えるなら、秘策がいきなり失敗するのではなく、一度は大成功を収めるが、二度目はパワーアップした敵に破られこちらも改良を迫られるという展開の方がきれいに決まったような気がする。


さて、今回の見所は。



見所1、ストーリーを盛り上げる麻雀戦の発動。


 高家庄が日本軍に包囲されたことを知った趙区長は急遽近隣の民兵を招集し、麻雀戦を発動することにする。

 すでに地道が失敗した高平庄は自力での状況打開が不可能。その彼らを救うべく趙区長が命令を下し、各村の民兵がいっせいに行動を起こして、日本軍をかく乱するシーンの盛り上がりっぷりは見事だった。


 ところで民兵たちにはまともな武器がない。なので、できるだけ大声を上げるなどして大部隊を偽装するなどさまざまな方法で日本軍を騙す。

その方法の一つがこれ↓

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これは木にドラム缶(ブリキ缶?)を吊るし、中で爆竹を爆発させているシーン。なんと、こうすると爆竹の爆発音が銃声のような音になるのだ!

ドラム缶の中で爆竹をすると銃声と同じ音がする。

さすが「軍事教育映画」とも言うべきトリビアである。



見所2、偽の八路軍


 危機を脱し、失敗を教訓に地下道を改良した高家庄を区の隊長らは褒め、彼らの作業を手伝うべく八路軍の武装工作隊(武工隊)を派遣してくれることに。

 ところがその情報が敵に漏れたらしく、この機会に乗じて高平庄の地下道を調べるべく、傀儡軍から偽者の武工隊が派遣されてきたのだ。

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本物と見分けがつかない「偽武工隊」 

や、ここで「偽者」ネタを持ってくるとは、これまた定石だが、話が盛り上がることこの上ない。この「偽者」は偽造の命令書まで持っていて、ちょっとやそっとでは見破れない。このまま主人公たちは騙されてしまうのか? と観客をハラハラさせる良い演出である。


 ちなみに「軍事教育映画」的には「スパイには気をつけましょう」というメッセージなのだろうか?


 さらに、偽武工隊の一部は地下道に招きいれ、そこを利用して倒したはいいが、地上では女性村長の林霞らが人質に!

 その危機を解決したかと思ったら、今度は再び日本軍が大挙して村に押し寄せてきた!

 と、畳み掛けるように危機的展開が続くのも、この映画がおもしろい理由だろう。




見所3、なんかかっこいい音楽


 さて、定石を踏みつつ息もつかせぬような展開のストーリーだけでなく、音楽も多いに映画を盛り上げる。

 基本は革命歌っぽいメロディーなのだが、それが中国楽器を用いて、中華風かつ民謡的な音楽に仕立て上げている。これが河北の農村を舞台した戦争映画のストーリーと絶妙にマッチしている。(・・・・・・このへん、言葉で説明してもあんま伝わらないと思うが)


 また要所要所で2つの挿入歌も歌われる。

 一つは『毛主席的話児記心上(子どもたちよ、毛主席の話を心に刻め)』・・・・・・はかなり本気でどうでもいいとして、二曲目の『地道戦』が流れるシーンの盛り上がりぶりは異常。中国で映画関連の名曲の一つとされるのも納得。



おまけ

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あいかわらず、主人公の妹の萌えっ娘ぶりが異常だ。村の女たちに子ども扱い(子どもだが・・・・・・)されてふくれっ面になる場面なんか時代を先取りしすぎかと・・・・・・。



地道百景2


↓は物語中盤で示された、「地道」設計図。

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地上から降りてきた敵は側面の隠し穴から攻撃する、落とし穴を設ける、煙を遮断する、流し込まれた水は井戸に流れ込むようにする、井戸の水を汲み上げる機械を使って土を排出・・・・・・などさまざまな工夫が見られる。

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さらに村それ自体をそこに踏み込んだ敵に対する「罠」に改造。家々の壁はもちろん、屋根や井戸にさえ設けた射撃口で四方八方から敵を狙撃。しかも狙撃者は危険になれば各家に作った地下道を通じて別の家に移動し攻撃を再開するので、敵はその姿さえも見ることができない。


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↑落とし穴の底で罠を作成中。

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実際の地下道の断面図。敵をこの複雑な地下道の中に誘い込んで倒すこともできる。




歴史解説

麻雀戦とは?→民兵が用いた戦術。数人の小グループを何組も作り交代で延々とヒットアンドランを繰り返し敵を疲弊させる(民兵に振り回されて疲弊したところを正規軍が攻撃する)、大声や爆竹などで大部隊を偽装し敵を驚かせて撤退させる、偽の攻撃を繰り返す(そして敵がどうせ今回も脅しだろうと油断したところで正規軍が本物の攻撃を行う)、など貧弱な武器で日本軍をかく乱する臨機応変な作戦全般を指す。

武工隊とは→今度調べます・・・・・・(なんとなくわかるが説明できるほどではない)

2012-12-16

『地道戦』後半 あらすじ

| 21:27

あらすじ


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※以下には映画『地道戦』のラストシーンまでのネタばれがあります。


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2012-11-10

『地道戦』後半感想

| 22:34

 先日、近くの図書館で『地道戦』の上映会やっていたので見てきてしまいましたー

 しかも無料。最近は共産党誕生90年の関連で近くの図書館で良くこの手の映画の上映会やっとるのですよ。 

 いやぁ、せっかくの機会だからちょっと大画面で『地道戦』見てぇ〜、と思いまして。。まあ、上映を企画した側は、国民に共産党のすんばらしさを宣伝するのが目的で、日本人オタク女が見に来るとは一ミクロンも想定していなかったでしょうが。

 で、こんな60年代の人民戦争勝利万歳映画(いや、いい映画ではあるのですが)今更無料でも誰も見ないだろうなぁ〜、と思って開始時間に行ってみたら予想通り私を入れて5人しか入ってなくて吹いた(しかも一人は日本人だしな)。でもまあ、それでもその後ちらほら見に来る人が増えて最終的には20人前後入りましたが・・・・・・まあ、無料でもこれだけかよって話ですが。




 それはともかく、大画面で見る『地道戦』はやっぱりなかなか良かったです。特に冒頭の緊急事態を告げる鐘の音が村に響き渡る場面、一面の麦畑の穂が風にたなびく中を主人公が負傷した村長を背負って戻ってくるシーン・・・・・・もう不吉さがハンパじゃなくてすごいシーンです。

 でも一番すごいのは、そうやって観客の不安が極限に達したところで始まる日本軍の侵攻シーン。これは本当に名シーン。

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 私は今まで多くの抗日モノを見てきて、その中で日本軍の残虐行為を克明に描く作品も見てきましたが・・・・・・でもそれらと比べても『地道戦』のこのシーンは印象に深く残ります(<戦闘シーン>では『狙撃手』の11話〜12話が屈指なのですが)。べつに『地道戦』は他の作品と比べて日本軍の残虐シーンを克明に描いてはいないのですが(むしろ描いていない)、この日本軍が「突撃!」の声とともに大挙して平原を駆け抜けていくシーンがもうゾクゾクするほど怖い。しかも白黒映像なんでかえって臨場感がすごいことに・・・・・・。住民にとっていかに日本軍が恐ろしい存在だったが、百の残虐行為を描くよりも、この進撃シーンが如実に語りつくしているのですよ。大量の火薬や流血に頼らなくてもそういうのは表現できるのです。

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 後で書きますが、最近この映画『地道戦』をリメイクしたTVドラマ『地道戦』を見たのですけど・・・・・・やはりあの冒頭の日本軍進撃シーンははずせないシーンであったのか、第一話で展開から構図まで忠実に再現しようとしていました・・・・・・でもカラーなのに全然印象深くないんですよね(笑)。


 で、映画を通しで見た感想ですけど、全体として良い出来であるという評価は変わりませんが、やはり冒頭のインパクトが強すぎるのか、どうもだんだんと勢いが失速している感は否めなかったかなぁ、と。特に中盤はちょっと中だるみ気味になりましたね。


 と、前フリが長くなりましたが、長らく遅れていた映画『地道戦』レビューの最後、後半の感想を書いていきます。


※以下、映画『地道戦』のラストまでのネタばれを含みます。


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2012-10-21

『井岡山』総合案内

| 12:35


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連続テレビドラマ 全36話(各40分)

放送:2007年

監督:金韜

脚本:不明

出演:王震(毛沢東)、王伍福(朱徳)、潘雨辰(賀子珍)、劉鑑(袁文才)、宋佳論(王佐)、東靖川(林彪)

評価:(すべて見終わった後に追記)

ストーリー:★☆☆☆☆   

人物造形:★★★☆☆

文学度:★☆☆☆☆               

エンタメ度:★☆☆☆☆

萌え度★★★☆☆              

総合評価(お勧め度):★☆☆☆☆

解説人民解放軍建軍80周年記念作品。

 井岡山毛沢東が最初に築いた革命根拠地であり、そのため建国後、革命の揺藍地として神聖化された。

 1927年、北伐によって国民党共産党は各地の軍閥を平定し、中国を統一。しかし蒋介石反共クーデターにより、共産党員虐殺され追われる身となってしまう。

 これに対抗するため共産党朱徳周恩来らを中心として南昌で武装蜂起を起し、労農紅軍を設立。一方、それに呼応して毛沢東も故郷の湖南で武装蜂起を起す。しかしすべての蜂起は失敗し、紅軍は追われ、毛沢東は再起を図るため、匪賊が跋扈する天然の要塞・井岡山に入る・・・・・・。

簡単総合感想:(見終わった後に追記します)


購入できるショップ

・クイックチャイナ

http://www.quick-china.com/


・書虫

http://www.frelax.com/cdrama/


※本作のDVDは「PAL」です。一部、日本のDVD再生機やパソコンで再生できない可能性があります。

2012-10-20

1話 あらすじ

| 12:20

 夜の街。

 警察に一人の男が捕まる。警察は男の顔を見て重要指名手配中の毛沢東だと確信するが男は否定する。警察所に連れ込まれた男は拷問を受けかけるが、彼を見た長官は人違いだと釈放する。

 釈放された男はその足で「本物」の毛沢東の隠れ家を訪ねる。彼は毛沢東とうりふたつの弟・毛沢譚(もうたくたん)であった。久々の再会に喜ぶ兄弟。毛沢譚は国共合作が破綻し、革命が危機に瀕していることを歎くが、毛沢東共産党武装蜂起を計画している、自分もそれに呼応して湖南で暴動を起す任務が下っている、と告げる。せっかく再会できたのにまた離れ離れにならなければならないことを毛沢譚は悲しむが、毛沢東は「三国志」の下巻を渡し、これを持って南昌の朱徳を訪ねるように言う。

 南昌。

 南昌の公安局長で国民党軍人・朱徳は実は共産党の秘密党員であり、その表向きの権限を利用して共産党員を保護し、武装蜂起の準備をしていた。秘かに南昌に集った周恩来ら党の幹部たち。若手幹部の王明コミンテルン武装蜂起に難色を示していることを理由に反対するが、周恩来は強硬に蜂起を主張する。予定より少し遅れた8月1日、蜂起は決行され、紅軍が誕生する。

 毛沢東は、暴動に先立って妻・楊開彗と三人の息子を妻の実家に送り届ける。寂しがる幼い息子たちをなだめ楊開彗は気丈に振舞うが、毛沢東はいつまでも別れを惜しむ。これが彼が妻の姿を見た最後であった・・・・・・