桜庭一樹・タカハシマコ「青年のための読書クラブ (1)」

青年のための読書クラブ 1 (Flex Comix)

青年のための読書クラブ 1 (Flex Comix)

 傑作。
 黒マリみてとか言われてるらしいが(いや幻想か?)、そんなレベルの黒さじゃない。少女という存在が内包する自己中心的で見るのもいやなくらいに醜い部分を的確に抽出してぐつぐつ煮詰めて目の前に出されたような気分。特に前半の話がすごくて、一ページ読むごとに脳に短剣をぐさりぐさりと刺されているようだった。壮絶な見開きページでは思わず声を上げ頭を抱えた。
 舞台は非現実的。なのに描かれる人間たちの感情はリアルそのもの(と感じさせるように作られている)。だからこそ、苦しい。黒い。重い。刺激的に過ぎる読書体験だが代替不能であり得られる物はとても大きい。
 必読だと思う。