twitterやってます。

 右の方見ればわかると思うんですが、ちょっと前からtwitterを始めています。idはmizuikewataru。最近は漫画感想など大体そっちの方で書いてしまっているので、あまりこちらは更新してなくてすみません。いや前からだろって? ぐぬぬ……

 というわけで、twitterでポストした漫画感想なんかはこちらの方に再掲していこうかと思います。

ミドリ「shinsekai」

shinsekai

shinsekai

 最初に1周したときは何かすごいものが鳴っていたような気がしつつも戸惑いがあったのだけれど、聴き続ける内に馴染んで、これは傑作だと納得した。明らかに今までとは変わったけれど、これは疑いようもなく進化/深化だ。

 アレンジにこりまくった面白い曲「メカ」、ポジティブにテンションが高い「あたし、ギターになっちゃった!!!!!」、そして後藤まりこのグチャグチャな暴力性と乙女的純真さが深いところで結合した「鉄塔の上の2人」。何よりポップであることがすばらしい。だって、ミドリがポップなんだよ!

 バンドとして聴くと、リズム隊が上手すぎてどうしようという感じ。馬鹿みたいにどっしりした土台の上で、ピアノとギターとボーカルが踊り狂っている。妙に耳に残る。中毒性がめちゃくちゃ高い。40分もない短さも手伝って、ぐるぐると聴き続けてしまう。で、イヤホン外しても鳴り続ける。また聴くと、前より更に良くなっている。

 CDはそれなりに売れ、ライブの規模も拡大し、DVDまで発売して、バンドとしては順調に歩を進めているように見えるミドリの待望の新譜、そのラストで後藤まりこは「今がどんぞこなんや!」と叫びまくる。たぶん、それこそが真実なんだ。

爽快感すら感じられる一級エンターテインメント 福満しげゆき「生活」

生活【完全版】 (KCデラックス)

生活【完全版】 (KCデラックス)

 これは良い! 思わず一気読みしてしまった。ちょっと日頃のストレスを発散するための治安維持活動が、あれよという間に大事になって、おかしな方向に歪んでいく。最後のまとまりも良く、一本の優れたアクション映画を見たような爽快感。

 最初は完全に自己満足の為の自衛活動で、悪い奴らを成敗してはいるけど自分たちが正義の味方だとは微塵も考えていない。悪い奴らを成敗している自分たちも犯罪者。ただ楽しいからやってるだけの愉快犯。それをきちんと自覚して描かれているのがすばらしい。

 なにげにアクションシーンの躍動感がすごい。よく考えると結構重ためな話なのだけれど、随所に見られる福満的(エッセイの雰囲気に近い)ユーモアのおかげでとても軽やかに読み終えられる。あれ、コメディだっけ? と思わされてしまう。これがエンターテインメントだよなー。

 クライマックスなんて、本当に少年漫画とかアクション映画とかそういった類の心地良い盛り上がり方なんだ、これが。間違いなく大衆受けする、一級エンターテインメント。またストーリーもの書いて欲しいなあ、福満さん。

相変わらずのようでいて、実は前に進んでいたりして 黒咲練導「放課後プレイ2」

 これはまたどえらい4コマ。もういろいろと語るべき箇所が多すぎてどうにもこうにも、なんだけど、でもまあとりあえず、普通に一つの青春・恋愛物語としてすばらしい出来だったと思う。特に後半。

 四コマだけど、起承転結全く無し。8Pまるまる主人公が漫画描いてる描写のみなんて話すらある。まさか4コマにこんなアプローチがあったとはなあ、という驚きが1巻以上に高まっているのは、物語と演出がジャストでかみ合っているからではなかろうか。

 読者にマニアックなオタク的知識があることがあたりまえのように前提ってのもすごい。知らないゲームとかの会話してるときは完全にこっちは置いてけぼりだ。そのかわり、ネタがわかるときは、本当に友達同士でだべっているときのようなスムーズさで台詞が中に入り込んでくる。

 しかしまあ何より重要なのは、普通にすんごく良い青春物語やってるんだよ、これ。創作してる人なら誰でも感じたことあるような感情が丁寧に描かれていて、そこに恋愛も絡んでくる。まさかそんな方向に行くなんて、前半では思っても見なかったけど。一個の物語としてとても上手く出来てる。エピローグ的描き下ろしも爽快。

 あー、だめだ、やっぱり何行ってもズレてる気しかしないわ。もういいよ。読んでよ。読もうぜ。「放課後プレイ2」。世界に革命を起こすくらい新しくて面白い4コマ漫画だから。人選ぶ漫画ゆえ、合わなくても責任は取らないけど……

はとかわいい。かわいいはと。 てっけんとう「はとがいる」

 きららの連載見て気になってた作者の単行本。これがかなり面白いんですよ。共同体として思考するはと(≠鳩)たちがはっちゃんを愛していろいろちょっかい出すけど、当のはっちゃんははとが大嫌いでしたから大・迷・惑!

 はとたちは、しゃべらない点と共同体として動く(=個性はない)点を除くと、「けものとチャット」の猫たちに似ていると思う。邪険にされるのも同様。でも、「はとがいる」の方はよりブラックな風味が強い。

 迷惑とはいえ別に悪意はないはとたちを、普通に箒でぶん殴ったりゴミに捨てたりフリスビーにしたりするような漫画だから、不快に思う人ももしかしたらいるのかもしれないけれど、個人的にはブラックながら嫌な気分にならないバランスが上手いな、と思った。

 後半になるにつれて作風が確定していった漫画だから、あと1巻分くらいは続いて欲しかった。いや続いてるのか? よくわからない。とりあえずきららの連載を楽しみにしていれば良いかな。