Hatena::ブログ(Diary)

流れるままに徒然に。 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-12-24(月)

「大奥 〜永遠〜 [右衛門佐・綱吉編]」(金子文紀監督)

 若い男だけがかかる疫病・赤面疱瘡の蔓延により、男子の数が激減した江戸時代。男女逆転の世となった三代将軍・家光の御代から30年が経ち、時代五代将軍綱吉菅野美穂)が治める元禄の世となっていた。

 大奥では、身分の低い黒鍬者の出の側室・伝兵衛(要潤)が綱吉との間に跡継ぎの松姫(渡邉このみ)をもうけて御腹様となっており、その後ろ盾綱吉の父・桂昌院西田敏行)=かつての玉栄が立っていた。綱吉に忠実に仕える側用人柳沢吉保尾野真千子)は密かに桂昌院と通じていた。

 彼らと対立する公家出身の御台所・信平(宮藤官九郎)は自らの立場を高めるべく、京から一人の男を呼び寄せる。それが水無瀬権中納言の子息・右衛門佐(堺雅人)であった。

 右衛門佐は大奥内で計算高く立ち回り、そのクレバーさで綱吉にも気に入られる。が、お褥滑りの年齢を理由に側室になることを断り、代わりに大奥総取締の役職を手に入れる。それは、最初から右衛門佐の狙っていた地位であった。右衛門佐は御台所付の御中臈だった秋本(柄本佑)を自分の部屋子とし、腹心の部下とする。

 そんな時、跡継ぎの松姫が病で急死する。悲しむ間もなく、綱吉は世継ぎを作るべく、様々な男たちと関係を結ぶことになる。それはやがて右衛門佐と桂昌院の世継ぎ作り合戦の体をなし、綱吉自身を追い詰め、ついには「生類憐れみの令」という悪法を発するに至るが……。


(以下、多少ネタバレ有り)

 よしながふみさんのマンガ映画化です。前作の「大奥」は八代将軍吉宗時代、この前までやっていたドラマは三代将軍・家光の時代、そして今回は五代将軍綱吉時代

 原作綱吉編は家光編と同じくらいのボリュームですが、どうしても映画だとドラマより尺が短いので、端折られてしまったエピソードも多いですね。私は原作も読んだし前の映画ドラマも見ているので、無意識のうちに補完しながら見てたようにも思います

 例えば、最初の方で将軍に拝謁する大名たちは女性の中に男が入り交じってますが、最後の方では女大名しかいない。この間に赤穂浪士の事件があって、そのせいで男の大名がいなくなってしまっているのですが、そこらは映画では出てきてないんですよね。……見たかったなあ、この設定での忠臣蔵。本気でやったらこのエピソードだけでスペシャルドラマの一本もできそうだけど、やらないだろうなあ。

 それでも、あの原作をうまく組み立てて映像化していたと思いますキャスティングもなんか原作に似た人が多かったと思うし、実力のある人ばかりだったし。

 綱吉最初は奔放な女性に見えますが、実は本当の愛に飢えていた人なのかも知れない。桂昌院は(ドラマの最終話からすでに)彼女を溺愛してるけど、それでもこのジジイどうやらまだ有功様命だぞ。なんせ、「家光とわしの血をつなぐことが有功様の悲願」だとか言って娘にお世継ぎ作らそうとしてるし。有功そこまで願ってたっけ? これじゃいくら溺愛されても、娘は父の愛を信じきれませんよ。

 閨を共にする男達だって権力が絡んでる分、自分将軍から相手をしてくれるんだと、特に年を取ってからは思ってしまってるんじゃなかろうか。吉保の愛は……どっちかというと病んでるしなあ。そこへ右衛門佐が「年を取っててもいい、あなたがいいんだ」と言ってくれたから綱吉は全てのしがらみを捨てることができた。右衛門佐のところへ走る綱吉が、本当に少女のようで。

 しかしあの終わり方は……確かに、「綱吉と右衛門佐の話」はあの時点で終わってるんですよね。その前の吉保とのあのくだりは、綱吉の臨終の時のあれをやらない代わりに持って来たんだろうな。

 役者さんたちの演技は見事でしたし、美術衣装も見事でした。


 ところで、桂昌院の老醜っぷりに何となく平清盛」を思い出したりして(笑)。そして、桂昌院と隆光(堺正章)の顔合わせは「西遊記」だ! この二人も昔は田中聖さんとピース又吉さんだったのに、すっかり変わっちゃって(違)。

ふぇいふぇい 2012/12/27 18:45 お久しぶりです^^;
TB下さったので、嬉しくて訪問しました♪
私は全く原作を知らず、映画だけの感想です。
TVの連ドラも、有功・家光編を時々観てただけで…(^^ゞ(^^ゞ
原作では、伝兵衛と綱吉が子供の墓参り(供養?)をするところもあると聞きました。
それは、右衛門佐が亡くなってからの事でしょうね。。
映画の尺に収めるために、年老いてからやっと結ばれる純愛ストーリーになったのでしょうね(笑)
大奥が苦手だった私にも観られたということは、綺麗に作ってあるのでしょうね。
一つだけ、美しき男たち3000人って言っても、美しいと思えるのは右衛門佐と伝兵衛さんだけでした。
でも、菅野さんも上手くて…楽しめました。

mizunagarumizunagaru 2012/12/27 22:46 ふぇいさん、こんにちは。
原作で松姫の供養をするのは、本当に綱吉の晩年の話ですね。もちろん右衛門佐は死んだ後で、桂昌院も亡くなっています。
月命日に一人仏壇に手を合わせる伝兵衛のところへ綱吉が来て、「やっと我ら二人はただ松姫の母と父として存分に涙する事ができるのじゃ」と言うんです。さあ、菅野さんと要さんで想像しよう!(笑)
原作には映画に出て来なかったエピソードもたくさんあるのですが、そういうの全部このキャストで見てみたかったです。

なお、「美男3000人」というのは史実的にもかなり盛ってる数字らしいので、そのへんあまり当てにしないほうがよろしいかと(笑)。

すいっちすいっち 2013/01/02 00:39 明けましておめでとうございます。
TBありがとうございます。原作ものはmizunagaruさん頼りです。
そう、あの打ち掛けも滑り落として走ってゆく綱吉の後ろ姿が印象的でしたね〜。
いつものことながら、原作を知らない身としては、予告篇で見せすぎ!と思いましたが、楽しくて良かったです。
後れ毛を垂らした髪型なんて堺さん以外の誰がやっても噴飯でしょうが、見事にはまっていて、さすがだと思いました。

mizunagarumizunagaru 2013/01/02 12:17 すいっちさん、あけましておめでとうございます。
打ち掛けのシーンは原作でもとても印象的なシーンで、綱吉が自らのしがらみを振り切った象徴なんですよね。
あの髪型、原作の右衛門佐もそうでしたが、堺さんならではの大人の色気が出ていたと思います。

考えてみれば右衛門佐、ドラマの有功と同じ選択をしてるんだなあ。(好きな女性とあえて床を共にせず、代わりに最高権力者となる)

投稿したコメントは管理者が承認するまで公開されません。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証