烙印の紋章 たそがれの星に竜は吠える:杉原智則

王子様とそっくりな剣闘士がその王子様と入れ代わるという話で、やはり同じ電撃の『タザリア王国物語』を連想してしまいますが、何だかんだ言って戦記物としてはあまり完成度が高くない『タザリア』と比べ、こちらはさすがベテラン*1の年季を感じさせる出来栄えで、しかしまあ当然ながらこの作品にはリネア様がおられないわけで、なんというか『タザリア』が一点突破としたら『烙印の紋章』は包囲殲滅という感じですね。
メインヒロインであるビリーナ、主人公・オルバの一番の友人であり理解者でもあるホゥ・ラン、リネア様の面影を感じさせる義妹のイネーリの三人がとりあえずのヒロインでしょうか。ビリーナは狡猾を気取ろうとして完全に失敗しているやんちゃな姫様ですが、そういうところも可愛らしいと思われます。ホゥ・ランは俺の嫁です。わりあい現実的な人物が多い中で、ホゥ・ランだけが超人的な能力を持っていて、英雄となるオルバの切り札的存在になりそうな雰囲気です。イネーリは貴族的な酷薄さとわずかな子どもっぽさを併せ持った姫様ですが、なによりオルバとのフラグが立ちまくってるので、リネア様とまではいかなくてもそれなりの活躍をしてくれそうです。
オルバとビリーナの新婚生活は想像すると面白いし、また話の舞台が王宮に移ればイネーリも絡んでくるだろうから修羅場も期待できそう。続きが楽しみです。
本編とは関係ないけど、イラストレーターが「3」ってすごいですね。検索しづらそう*2。みーまーのイラストレーターも「左」だし。そういやこういう話もありましたね。「一文字イラストレーターまとめ」とかありませんか。

*1:と言っていいのかどうか微妙だけど少なくとも新人ではない

*2:とか言いつつ「3さん」でググったら出てくるけど