鉄球王エミリー 鉄球姫エミリー第五幕:八薙玉造

これにてシリーズ完結。なんと完璧に近いハッピーエンド。1巻の頃の殺戮が懐かしい。とはいえ、死んで済ますよりは死なずに済むほうが良いもので。いや、セリーナさんとかリカードとかは確実に死んだと思ったんだけどなぁ。リカードはどうでもいいとしてセリーナさんが生き残ったのは嬉しい。良かった良かった。
戦術・戦略面の描写はちょっと物足りない。ただ、戦闘描写は相変わらず秀逸。ミーネちゃんとの最終決戦は、ミーネちゃんの絶対的強さと、それに立ち向かうエミリーの王様っぷりに燃えた。とどめの刺し方の必死さもこの作品らしい。まあ、勝利に最も貢献したのがグレンだったというのは気に食わないけどな。無双すぎだろこいつ。
恋愛面のこのもどかしさは、なんというか、すさまじくもどかしい。エミリー様はいつのまにかグレンに惚れちゃってるし、グレンはグレンでどっち付かずというか、優柔不断というか、おまえたちが俺の翼というか。50年後くらいにエミリーとグレンの隠し子が現れて内乱が起こりそう。将来の禍根はいまのうちに断っておくべき。
ミーネちゃんの退場があっさりしすぎなのが残念だった。「あれから病床らしい」だけで済まされてかわいそす。ミーネちゃん視点の外伝とか出ないかな…。