すべての愛が許される島:杉井光

メディアワークス文庫はまだ『[映]アムリタ』とこれしか買っていない。『シアター!』とか買ってみようかなぁ。
どんなに許されない愛でも、近親愛でも同性愛でも、神父に認められさえすれば結婚でき、他に行き場がなければ住んでもいい、という謎の島を舞台に、何人かの人物が登場し、複数の視点からその島の教会や神父にまつわる謎に迫っていく。タイトルからはインモラルな話かと思ったけど、いや、ごく普通に面白い小説だった。そつなくまとまってて、そこそこ尖ってて、なんだか杉井らしい。こういう作品は感想書きにくいなぁ。登場人物の心理描写が中心で。まあ、ページも少ないし、さらりと読める良作だと思う。