双竜記III 機械じかけの竜と闇の咆哮:安彦薫

順調に分厚くなっていってる気がする。戦記物はページ数が増えるなぁ。
王都奪還の話。これまではオルガンドの圧倒的な戦力に押され気味で、せいぜい一矢報いる程度だったリュクサリアだけれど、今回はヴィクトのチートじみた計略が冴え渡る。キャラとして目立っているのはオルグレン、ヒューム、ダジェス、それと主人公のイアンあたりか。特にオルグレンとヒュームは、この巻で生命が吹き込まれたような印象さえ受ける。しかし変態ジェラルドさんといい玉砕アシュフォードさんといい、どうして五公の人はこんなに優遇されてるんだろうw 脇役の心理描写はしっかりやるくせに、主役級の描写がひどく少ないんだよなぁ、この作品。『ゆらゆらと揺れる海の彼方』と同じ症状だ。…イアンくんはジュラやシグルドとは比べ物にならないほど健気な少年だけどな。
あと、ミリアムさんがほとんど出てきていないのが悲しい。このままではフェリスにメイド代表の地位を奪われてしまうのでは…。