SNSの定義をめぐって

巡回しているマーケット関係のブログが

http://markethack.net/archives/51686615.html

何時だったかMarketHackの姉妹ブログ、
TechWaveでソーシャルメディアに関して正論を展開した青年の記事が「ITの権威」
と持ちあげられている(?)某氏にTwitterでボコボコにされたことがありました。

ある青年の主張をdisってた。

日本が左側通行だからといって、世界が全部左側通行とは限らないわけです。
僕は右側通行が正しいか、左側通行が正しいか?を議論しているのではありません。
右側通行がいやなら、Facebookをやらなければいいだけです。

はあ、Facebookを匿名で使ってもいいじゃないか!とかアホな主張をしてるのかな?
と思って、
この青年の主張とやらをTechWaveに読みに行ったのですが、


http://techwave.jp/archives/51525441.html
記事にはFacebookのことは書いてなく、単にSNSの定義が書かれていただけだったw
ソーシャルメディアマーケッターが誤った定義を広めている」ということで、
たんにカチンと来たのかもしれないw


青年の主張するSNSの定義は

  • 実名のリアル世界での知り合い同士のネット上のつながりをソーシャルグラフと呼ぶ
  • ネットで出会ったり、匿名やハンドルネームでのネット上の付き合いはバーチャルで、ソーシャルではない


正しいと思う。モバゲーやGREEの主催者は、自分たちが所有しているネットワークを
バーチャルグラフと呼んでいる。
問題はmixiだ。mixiの主催者は自分たちが所有するネットワークを「ソーシャルグラフ」と呼んでいる
(上記は、OpenSocialのイベントで、mixiGREEDeNAの担当者が目黒の雅叙園で発言)


厳密にはmixiでは実名のユーザーが少ないので、厳密にはmixiは上記定義ではSNSと呼べない。
mixi自身はソーシャルグラフであると思いたいので、そういう努力を実際にしているけど、
これは難しい。
今更実名制に変更もできないし、
もしmixiが実名制SNSとして始まっていたらここまで普及しなかっただろう。
戦略を間違ったわけではないと思う。


そういう意味ではtwitterSNSではない。
日本で実名SNSが普及するかどうかは、今のところ判らない。
ただ、それは日本で発生したSNSではなく、外国から外堀を埋められる形でしか普及はしない予感がする。
もはや、mixi vs Facebookではない。
mixiは実名SNSではないので、facebookの対抗には成り得ないのです。


実名が上で、バーチャルが下とか、そういうものではなく、単にカテゴリーの問題。
ただ、バーチャルなSNSであったMySpaceが衰退しているという事実からして、
世界的には実名制の方がバーチャルを駆逐するという事実がある。
日本では今のところ判らない。
ただ、実名制が一定のユーザー数を獲得してキャズムを超えれば
おそらく実名制SNSの方が伸びると予想できる。


実名制が上か、匿名性が上か、という問題ではなく、
ビジネスとしてどちらがより多くのデイリーユニークユーザーや滞在時間を獲得できるか?
と考えた場合に、実名制の方が有利だろうとは言えるでしょう。
それもすべて、ザッカーバーグが計算していることは、日経BPの「フェイスブック」を読めば分かる。


ザッカーバーグが狙っているのは1日のネット利用時間に占めるFacebookの専有度をあげることで、
実名制やSNSなどの仕組みは単なる戦術上の道具でしかない。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)

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