雑種路線でいこう

2008年06月24日

コンテンツ制作者は是非ともクーデター

わたしも一端の物書きだが、原稿料に不満を持ったことはない。だいたい原稿料を聞いてから原稿を書いた試しがない。筆一本で食えないだろうってことは初めて雑誌原稿を書いた大学に入る少し前で思い知ったし、大学に入って間もなく原稿執筆よりも効率的な知に対する付加価値のつけ方を学び、いまの本業だってその延長線上にある。

今こそ、コンテンツ制作者たちは真剣に怒るべきである。クーデターを起こすべきである。アーティストやその周辺の人がその気になれば理不尽な行いを糾せることは、昨年のハリウッド脚本家ストライキからも証明されている。そんなヒマがないなら、海外に避難する道を考えるべきであろう。

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権利者の方々はしばしばリスペクトという言葉を使うが、iPodやHDレコーダを買う際に数百円余計なカネを、顔の見えない権利者に支払うことのどこがリスペクトなのか。僕は一端のクリエイターとして自分の書いた記事が論評されたり、引用されて議論が起こったり、場合によっては炎上するくらいが本当のリスペクトだと思う。音楽だって再生されて、論議を巻き起こし、或いは人々の魂を救い、別のクリエイターインスパイアされたりマッシュアップしたりってのが本当のリスペクトだろう。

言い古されたことだがコンテンツ保護の強化で喜ぶのはクリエイターではなく、ブローカーやロビイストといった補助金ゴロどもだ。彼らは守りに入っているから、広くコンテンツ流通し、新たなコンテンツが生まれることよりも、自分たちが既に所有するコンテンツを少しでもマネタイズすることを重視して権利保護強化を主張する。

コンテンツに相応の対価なんてものはない。自分で値段を決めて、売り方を考えるんだ。売らないことだって選べるし、市場で決まった価格でやりくりして、誰に何をどう売るかを考えるところから、創造は始まっているのである。いつか世に出たいクリエイターなんて山ほどいる。過去しか見ないで仕事する連中が去ってくれれば、その分のカネや機会が裾野にまわるかも知れない。

政府による規制補助金を望むコンテンツ社会主義者どもは、是非ともクーデターを起こして自分が余人を持って代え難い存在なのか、単なるラッキーボーイなのかを試してはどうだろうか。映画界はかつて五社協定でそれをやったし、ハリウッド脚本家と違って日本ギョーカイ人たちが不平タラタラでも決してストライキしないのは、内心どこかで自分たちがラッキーボーイだという自覚があるのだろう。下からのクーデターが怖いからストライキを打てないのである。

お上に取り入って補助金とか規制業界固定化する業界ゴロたちが跋扈すれば、どんな業界も疲弊して弱体化する。本物のクリエイターは法を捻じ曲げずとも創意工夫で生き残る。クリエイターの給与が低いのは、給与が低くても人材供給が途絶えないからであって、クリエイターから搾取する立場にある業界のトップが、権利保護を強化すればクリエイター給与水準が上がるなんて与太を大っぴらに語るのは如何なものか。レコード業界のロビイストとしても見え透いているし、経済学イロハも無視したポジショントーク大学教員としての見識を疑う。

shakaijinshakaijin 2008/06/24 22:01 補償金制度の収益金がクリエータに還元されていると言う証拠を見たことがないですな…子供の運動会録画するのに補償金を払ってるような現状は如何なものかと…

miramira 2008/06/24 22:28 本物のクリエイターなんて言っちゃうのは物書きだからなんでしょうけど
その補助金ゴロが居なければテレビも映画も音楽もここまで大きくならなかったでしょう
そういう大きな資本があるからこそ何十億かけた映画やテレビ番組、数万人を動員するアーティストなんかが出来上がるわけで
零細兼業クリエイターだらけの世界がいいならそれもいいですけどね

touhou_huhaitouhou_huhai 2008/06/25 01:10 >零細兼業クリエイターだらけの世界がいいならそれもいいですけどね
賛成。いっぺんそこからやり直した方がいい。

halhal 2008/06/25 01:30 >賛成。いっぺんそこからやり直した方がいい。
大きな資本がなければクオリティを維持できないコンテンツは姿を消して、素人がニコ動にあげるようなコンテンツしか世の中になくなってもいいってことですか?つまんないなあ、そんな生活。

mkusunokmkusunok 2008/06/25 01:56 テレビは映画界の談合と闘って伸びた訳で
補助金ゴロが活躍するのって産業の衰退局面ですよ
成長期のロビイングは役所に対して放っておいてくれって方なんだよね
私的録音録画補償金云々がなくても、大資本のプロコンテンツは残るよ
だって米国に録画補償金はないけどハリウッドの大作映画とか世界中に売れるドラマとか作っている訳で。彼らは彼らのロビイングやってるけど、もっと健全な主張だね

touhou_huhaitouhou_huhai 2008/06/25 10:36 楠様のが現実的な意見ですが、私はハリウッドも潰れちまえと思ってるクチですので。

ま、大企業のエンタメマネジメントがマンセーで、在野の兼業クリエイターの場といえばニコ動しか挙がらず、そのうえすっかり舐めきられてる現状にむかっ腹が立っても、それはクリエイター側の力で解決しなきゃいけない問題ですね。

slpolientslpolient 2008/06/25 19:36 クリエイターといっても、年収数億にもなる超大物と
ワーキングプア並みの収入しかない末端の人がいると思うのですが、
楠さんはどのようなものを念頭に置かれているのでしょうか?

mkusunokmkusunok 2008/06/26 12:52 末端の待遇改善はコンテンツの権利保護強化では難しく、下請法・労働基準法の厳格運用や最低賃金の引き上げ、制作現場の生産性向上で手当てすべきかと。
以前はレーベルが超大物アーティストと末端との所得格差を埋めていましたが、最近はブレイクするとアーティストがエージェントを入れて契約条件を交渉するので、以前ほど再配分-再投資の仕掛けが働かなくなっているようです。

yskysk 2008/06/26 16:41 著作権関連団体の方々は、時々、著作権制度を社会保障制度と勘違いしてしまうようですね。著作権分科会(第24回)の議事録で「社会保障」の語で検索していただき、その前後をお読みいただくと参考になるかと。

shakaijinshakaijin 2008/06/27 23:50 産業ごとに社会保障制度を独立採算にして減税するという手も…

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