雑種路線でいこう

2008年12月11日

問題は内定取り消しより新卒偏重では

正社員だって整理されちゃう時代なら、内定を取り消されたって仕方ないだろって気もする訳ですよ。で、問題は内定取り消しそのものじゃなくて、それが今後のキャリアに大きく響いてしまう新卒偏重の方なんだよね。ところが首相のコメントとか労働基準監督署の指導とか、おかしな方向に走っている。役人記者新卒採用が多いから、自分が暗黙のうちに差別を認めていることに気づかないのかな。

どこの馬の骨ともつかない一般学生に100万やろうという話がでて、社会がそれに「かわいそうだ」とか同情する一方、100万円もあれば生きる事ができるかもしれない就職氷河期世代の非正規労働者に、本質的意味での同情の声は上がらないわけですよ。

深夜のシマネコBlog:俺にも100万円ください - livedoor Blog(ブログ)

麻生太郎首相は10日午後の参院予算委員会で行われた経済・社会保障に関する集中審議で、企業による新卒者の内定取り消しが増えていることについて「これから(社会人として)スタートする人が、かなり大きな失望を味わう。あってはならないことであり、甚だ問題だ」との認識を示した。那谷屋正義氏(民主)への答弁。

時事ドットコム:麻生首相、内定取り消し「甚だ問題」=参院予算委で集中審議

真面目な話、この新卒一括採用という慣行のせいで、たまたま卒業年次によって大変な不平等が生まれ、運の悪いときに卒業したというだけで、キャリア形成が非常に難しくなってしまうし、学生だって就職活動ばかりに精を出して真面目に学問できない。大学3年の後半から就職活動に精を出し、というのもさることながら、修士1年の後半から就職活動って、お前いつ研究してるんだ!って話になるよね。できれば卒業してから、せめて大学4年の後半から就職活動くらいでいいんじゃないの?逆に学生であっても通年で中途入社できるとか。

マスコミとか人気企業では数千倍とか宝籤みたいな倍率で非常に優秀な人材を採れて、優良なB2B企業が採用に苦慮して仕方なくTVCMを流す、みたいな世界は異常。欧米の制度を参考に、採用時の年齢差別禁止とか、職歴があることに対する差別の禁止とか、真面目に検討すべきじゃないかな。例えば新規採用新卒・中途比率に数値目標を設定して違反企業は割増雇用保険料率を設定するとか。新卒一括採用だけに固執して卒業年次差別を助長する企業には、ロスジェネ生活支援・雇用対策の費用を負担してもらうべきでしょう。

gasukigasuki 2008/12/11 13:59 社会人としての基礎が無いのが原因。うちの会社も基礎のある外国人を探す事も考えています。

いるかいるか 2008/12/11 15:31 社会人としての「基礎」ってなんだろう?世界的に認められるべき基礎なんてあるのか?

frkw2004frkw2004 2008/12/11 15:47 こんにちは。
そういえば第二新卒というのもありましたね。
一括採用の目的のひとつに、新規採用者の教育費用を安く済ます、というのもあるでしょう。新卒に対する偏重も問題ですが、内定を出すのと実際の入社までの間と時間的な開きがありすぎじゃないですかね。

tetsuya_mtetsuya_m 2008/12/11 17:29 アメリカ駐在時代、採用面接では年齢、性別、宗教、人種などを尋ねてはいけないと言われていて日本との違いにめまいがした物ですがまじめに日本もそっちの方向に行くべきだと思いますね。

jaggingjagging 2008/12/12 02:26 全面的に同意です。
しかしなぜマスコミはここを突かないのか?
結局のところ、自分たちに都合が悪いのだろうか。

そこまで過去の制度に固執しても無駄だと思うんだがな。

世代間格差、少子化、社会の閉塞感、
結局全ての原因はここなんだろうと思う。
日本ももっと平等になればいいのに。

Marseille07Marseille07 2008/12/12 05:32 新卒一括採用という慣行は消えていくと思いますよ。雇用の流動性が高まると、新卒にこだわる必要性が薄れるので・・・(どうせ新卒で取っても3年後には居ない可能性が高い、みたいな)。

匿名匿名 2008/12/12 11:10 企業の論理としては、単純に業務の継続性が損なわれることのコストが大きいというのもあるんですよね。組織の中では、個人の能力差などは経験に比べれば実はたいしたことが無くて、引継ぎのコストを考えれば「有能な人材の引き抜き」なんて人事部の自己満足に過ぎないんじゃないかとか……

そして、人脈や技術の流出を防ぐために、たとえ正社員を簡単に首切れるようになっても、年功序列の正社員と使い捨ての派遣という構図は変えないのではないかと。

しかし、転職社会のアメリカはロスジェネの問題は無いのだろうか?移民の問題はよく出るけれど……

shiroshiro 2008/12/12 19:11 業務の連続性については、USでは各ポジションの役割をjob descriptionで明確にすることによりある程度規格化が図られている感じがします。job descriptionは技能と責任範囲も明確にするので、報酬もそれに連動できますし。

私はむしろ新卒一括採用の廃止に対して人事が抵抗勢力になるような気がします。新卒/中途の区別なくポジションに要求される技能で選別しようとしたら、人事権を現場に移さざるを得ないと思うのです。技能は同じ技能を持つスペシャリストでないと判断できませんから。そうすると採用の可否や昇進は現場およびその現場を統括するマネージメントが決めることになり、人事部というのは事務に徹することになります。今でもそうなっている日本の会社は多いんでしょうか。私は直接知らないんで想像することしかできないんですが、採用の話なんかに「人事部」が登場することが多いので、もし人事権を人事部が握っているなら、それを手放すのは大変だろうなと思います。

miharaseihyoumiharaseihyou 2008/12/13 00:47 普通は新卒は最低でも半分以上は辞めると思って採用しますね。
鉄鉱石ならぬ人間鉱石の選別過程かな?
若い方が最近までは物覚えが良いと思われてきたけど、最近の若者の知的レベルの低下傾向を思えば苦しい。
新卒にこだわる必要は薄れています。
ハッキリ言うとゲームや携帯にドップリ浸かったオタクは使い物にならない。
 
体力面でも基礎体力の低下が続いているので、新卒のキャパシティーは低下する一方でしょう。
今時時代錯誤の年功序列やってるのはお役所ぐらいしかない。
年功序列は本来、辞めていく人を少なくして社員教育のコストを削減する目的で実施されてきたのですが、業務のマニュアル化が進んで意味が薄れつつある。
製造業では技術者の育成が必要なので必要だと思いますが、お役所の業務には必要無いし、一般事務職などにも馴染まないでしょう。
 
そのうち精神的な耐久力や基礎体力、記憶力、反射神経などをテストする「年に数回、誰でも参加OKの新入社員採用試験」を実施する会社が出てくるかもしれませんね。
例えば座禅を組ませて録画して分析するとかでね。

やよいやよい 2009/02/10 00:29 初めてgooの記事で読み、若い世代にこのような意見の持ち主がいることに感動すら覚えました。内定取消し企業(綜合地所)を非難して終わりではいけない。急激なアメリカ発の金融危機です。綜合地所を責められないと思う。安易に内定取り消した企業もあるでしょう。ちゃんと見極めないと。私は綜合地所とは何の関係もないけれど、この件ではこの企業に同情しているんです。リーマンは嫌いな会社ですが、ここも致し方なかったと思う。それより小泉竹中奥田以来の労働政策にこそ問題があると思う。

なまえなまえ 2009/06/04 20:29 新卒採用は続けるでしょう。新卒採用をしなければ、若者の自立がすすまないからです。大学でても職がないから親元にいる。そうなれば親や社会の教育的負担が益々増えます。就職氷河期世代が就職したいから新卒採用はやめてそのパイを俺たちにくれ!!俺たちより下の世代?みんな働かないでくれればいいさ!!という今の極端な世論は度がすぎている気がしますね。

なまえなまえ 2009/06/26 01:59 企業が内定を出したい人数: n
n のうち、ちゃんと就職させられるか微妙な内定数: m
m のうち最終的に取り消される内定数: r

最終的に就職できた人間の数= n-r

今年度から内定の取り消しが違法になり、それを行うと企業が大変なコストを強いられることになったとする。企業は取り消さなければならない可能性のある内定を出すことに消極的になるから、微妙な内定は出さなくなる。

今年度内定をもらえる人の数= n-m

ここで m > r と思われるので、今年度に内定をもらえる人の数はさらに少なくなるだろう。


 倫理以前の問題として、内定取り消しを叩くことが、雇用問題にはたして有効なのかとても疑問に思っています。
 新卒時を逃すと、就職へのハードルは圧倒的に高くなります。だから、学生も周りも必死になります。その必死さが高じて、逆に事態を変な方向に持ってやいかないか心配です。

らいとらいと 2010/03/12 11:13 新卒採用は今後消えていく方向で進むんじゃないかと思います。
何故かと言うと今の新卒そのものが人員過剰になっているという現実があるからです。
一方で倒産した企業から人材が流出して経験者も容赦なくその中に追い込まれていきます。
しかし、実力のある人が企業に再び入るためには様々な試験や面接をクリアしなければなりませんが、それでも「新卒」と同じ土俵で戦うのは難しいとされてきました。
ところが近年起きた不況の影響かどうかは分かりませんが、ここ数年の就職人口を見ると新卒の内定者が減っているのに対して、中途の内定者は少しずつではありますが増えてきています。
これは新卒の教育にかかるコストよりも経験者が多い中途をとった方が対費用効果として有利だと企業側が気づき始めた兆候ではないでしょうか?

投稿したコメントは管理者が承認するまで公開されません。

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
雑種路線でいこう by 楠 正憲 is licensed under a Creative Commons 表示 - 改変禁止 2.1 日本 License. このブログは楠正憲の個人的なものです。ここで述べられていることは私の個人的な意見に基づくものであり、私の所属する組織とは何ら関係はありません。