雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

マニフェスト選挙への素朴な疑問

民主党の政策について23日に公表したと報道されたマニフェスト原案「09年政策集」を探したが、断片的な記事ばかりで確かな情報に当たらない。報道によると明日にもマニフェストの全容を発表するらしい。twitter議員の呟きから推察するに7日の週は多くの議員に公開されておらず、この週末は細かく確認できる状況だったのか。自民党は来月にずれこむ可能性があるという。いずれも候補者はマニフェストどころじゃなく選挙の準備に奔走しているはずで、両党とも決して民主的と言い難い過程でつくられたマニフェストが投票の参考になるか強く疑問に感じる。

民主党マニフェスト作りが進んでいる。しかし、多くの議員にその内容が公開されない。どんなマニフェストになるのか、皆目見当がつかない。こんなことで民主党は大丈夫か?

@toshi03 今日は相当細かくマニフェストを確認しました。頑張って発信していきます。

自民党衆院選マニフェスト政権公約)づくりが「麻生降ろし」を巡る党内の混乱のあおりで難航している。当初、月内の発表を予定していたが、目玉政策を盛り込んだ骨子さえ示せず、完成版の公表時期も8月にずれ込む可能性が出てきた。政権交代を掲げる民主党は27日に全容を発表する日程を決めており、自民党側に焦りの色も見られる。

自民党民主党共産党のような組織政党ではないし、多くの有権者は党のイデオロギーや個々の政策よりも、候補者の人格やら政局のバランスを考えて投票してきたのではないか。強い権限を持つ米国の大統領や日本の県知事と比べて総理大臣の実権は限られている。経済が厳しい状況の中で、実際の政策は政局だけでなく景気や金利などを意識して柔軟かつ機敏に決断されるべきだ。
歴史的に今の自民党民主党という枠組み自体が政策を軸とした分類にはなっていないし、政界再編の可能性も取り沙汰される中で、選挙では政党の公認だけでなく個々の議員の本音を調べて是々非々で判断したい。両党が肝煎りでマニフェストを公表した場合に、個々の議員が自党のマニフェストについて説明できることは当然として、メディアから揚げ足を取られないよう個別の異見表明が制約されることは決して望まない。
両党とも内部では様々な議論が相克する中で、きっちりしたマニフェストをまとめられるかどうか執行部の指導力が問われている。一方で参議院選挙を来年に控える中で、選挙を勝つために無理にマニフェストをまとめることは、どちらが勝っても政権運営の裁量を狭めることになりやしないか。
だいたい月末に公表されるとして公示日まで2週間、投票日まで1ヶ月しかないのに、広範にわたる公約について論点を洗い出せるのだろうか。公示日以降は候補者によるTwitterやブログの更新が難しいことも痛手だ。投票を呼びかけない政策論争であれば、本来は法的に問題ないはずだが。
これまでの選挙と同様に、新政権ができてしまえば誰も以前の選挙のマニフェストのことなんか忘れてしまうのだろうか。それは必ずしも有権者が馬鹿とか政治家が嘘つきという話ではなく、状況が変われば物事の優先順位は変わるべきではある。
だから私は耳心地よい具体的なマニフェストよりは、個々の候補者の価値観や行動様式、或いは政党組織に対しては意志決定過程や権力構造に対して興味がある。彼らに託すのは過去の政策論ではなく未来への意志決定なのだから。