雑種路線でいこう

2013年11月23日

mp3アングラだった時代

Winampが公開された1997年ぼくは秋葉原雑居ビルにある謎のDOS/Vショップで店番してた。欧州FTPサイトで落としたMODをBGMで流してたその店で、mp3WareZな連中がCD-Rに焼いて交換するもので、持ち運びながら聞く手段さえなかった。mp3をつくるにはリッピングと圧縮に別々の不親切なソフト必要で、Winampで音楽を聴くのはちょっとしたステータスだった。韓国の会社がMPMANを発表するのは翌98年2月ガジェットとしては興味深かったけれどもMDプレーヤーと較べて高いし粗削りでメリットは感じなかった。

米Nullsoft, Inc.は20日(現地時間)、マルチメディアプレイヤーWinamp」の最新版v5.66を公開するとともに、12月20日で「Winamp」の公開を含む“Winamp.com”の全サービスを終了することを宣言した。

Nullsoft、定番メディアプレイヤー「Winamp」の公開終了を宣言 - 窓の杜

mp3と聞いてピンとくる人がいれば、きっと「mpman」のこともご存知のことだろう。韓国のセハン情報システム世界で初めて発表した携帯mp3プレーヤーのことだ。この衝撃の問題作(?)が、いよいよアキバに登場する。

衝撃の問題作!?携帯型mp3プレーヤー「mpman」販売開始

当時から日本メーカー携帯音楽プレーヤーの可能性に気づいていたが、DRMをどうすべきか、メディアSDメモリースティックか、codecはATRAC3かTwinVQかといった縄張り争い高尚な議論をしてて、コンテンツ保護はないし音質や圧縮率も大したことのない素朴なMP3がここまで流行るなんて思ってなかった。

mp3なんて失うもののない韓国台湾メーカーフリーソフトシェアウェア作者が手を出すものであって、いずれ本命として、がっつり権利保護されたハイテク高音質デジタル音楽の時代が来る、はずだった。日本の電機メーカーにとってmp3違法かどうかはさておきリッピングは脱法的で、コピー制御のないPCM音楽機器を出すのはDATを製品化するためSCMSで権利者と折り合った交渉経緯を無視して信頼関係を裏切る厄介なことと映っただろう。

ところがAppleがiTunesをリリースしてRip、Mix、Burnと堂々宣伝し、MicrosoftもWindows Media Playerで追随した。さらにiPodの登場で音楽はライブラリーごと持ち歩くことが当たり前になってMD陳腐化した。日本の電機メーカーも慌ててポータブル音楽プレーヤーmp3をサポートしたが、気づいたらSONYは周回遅れで重くてゴテゴテした音楽アプリを度々リリースするもウォークマンで築いた地位を失い、Winamp歴史的役割を終えてマニアックなだけのアプリになった。

Winampが名実ともに役割を終えた今日、かつて日本的秩序の中でmp3グレーゾーンとして扱われ、研究開発では先行していた日本韓国メーカーAppleに先を越された歴史を振り返って、似たようなシガラミや固定観念に囚われてイノベーションの芽を軽視していないか、物事を難しく考え過ぎて時代に取り残されてないか考え直したい。

tohtoshitohtoshi 2013/11/23 22:21 アップルは当初MacでCDプレーヤーアプリは有りましたがCDラジカセより音質は悪かったのです。それで音質をCDラジカセ並に良くする様に提案したことがありました。内容は平成9年1月に「未来のMacについて」と題した一部より抜粋『音質については、CDラジカセに比べるとかなり見劣りします。「Performa 5220」のAppleCD Audio Playerで音楽を外部出力端子よりCDラジカセのAUX端子へ入力して聞くと、CDラジカセでの直接プレーの方が遥かによい音質なのです。』と知らせました。そして、初代のiMacでは音質を劇的に良くしたCDプレーヤーアプリとなり、さらにMP3技術の活用でiTunesを発表・搭載されました。
米国の小さなオーディオーメーカを買収してまで高音質の仕様を備えた「iMac」を発表したのです。

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