天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

 中国に主張すべきは何か

 先月の日中友好協会八王子支部の総会の後の講演会で、慶応大学の大西広教授が話の後で販売していた本だ。
 講演の内容はその時の日記に少し書いた。

 そこで、詳しくはこの本を読むと書いてあるとも話されていたので、買って読んだら確かに詳しく書いてあった。
 どうもこの教授は毛沢東主義礼賛的なところがあるようだ。中国は、訒小平の改革開放以来自由競争による経済発展の流れに入ってきた。それまでは、イデオロギー主義で、すべての価値観の基本に社会主義思想があった。
 農村で言えば、地主から土地を取り上げて、集団の共同管理のもとで、誰もが飯を食える社会を実現しようとした。その結果、農民の労働意欲を減退させる結果となった。仕組みや制度の変更の前に、意識改革の方が必要だった。
 当時の中国共産党の首脳部がいくら高尚で、理想を目指した考えで施策を打ち出しても、広い中国で実践に移す管理者がいる。この地方の幹部というのがくせものだった。勿論、とても真面目な人も沢山いただろうが、自分の働きを良く見せるために、上への報告を虚偽で飾ったり、住民に無理な結果をもとめたりした。そういうところから破綻がはじまった。
 まだ貧しかった頃の中国の外交は、武力によらない外交を展開していた。そういう時代を思い出してほしい、というのが著者の言いたいことのようである。
 しかし、ここまで経済力がついた中国がアメリカと対抗してゆく動きの中で、ノスタルジックなことだけでは難しいのではないか。
 政策や制度は難しい。皆が平和を望む意識と、各自が自分のできる能力で仕事しようという意識を持てれば、国をまたがった問題も解決の糸口が見つかるのでは。
 この本は、一定の方向性を結論付けるものではなく、冷静に社会科学的に中国の在り方を見てゆこうというものだ、と解釈した。