天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「春草」 裘山山

ここのところブログの更新頻度が少なく、全国の読者の皆さんにはご期待に添えていなくて申し訳ありません。なんちゃって。
別にブログネタに困っているわけではなく、時間との戦いに明け暮れているわけ。優先するものが二胡の練習なので、おのずと書く時間が減ってくる。会社勤務を辞めればこの問題はある程度解決すると思う。

ブログネタといえば、ここのところ政治色が濃い文章が多いという意見が聞かれたが、そうかしら、そうだとすると思いの中にそういう意識が強くなっているのか。
原発反対と憲法違反の戦争立法に反対することは、良識ある日本人なら誰しも思うことだろう。今日、その戦争立法が強行採決された。アホくさくて今日は最近読んだ本の紹介にしよう。
題の「春草」とは女性の名前。「道なき道を歩み続ける中国女性の半世紀」という副題があり、いわば中国版「おしん」の半世紀とも。日本で中国語番組でおなじみの陳淑梅さんもおすすめの本、ということで購入しておいた。
このまえ、中国の小説は短編が多いという印象を書いたが、これは短くない。著者は裘山山という作家で、翻訳の監修が于暁飛という方。ここまでは中国人だが翻訳は徳田さんと隅田さんという方々で、中国語学習者であるがプロの翻訳家ではない。中国進出企業の一つにお勤めの二人が翻訳に取り組み、中国語の先生が監修ということらしい。
前置きが長すぎたので、内容の紹介はこの次にしようか。というまでもなく、副題でどのような話か想像はできると思う。農村に生まれた女子、というだけで大変な思いをする。一人っ子政策の前に生まれたのか、兄弟姉妹がいて家族の生活と兄弟を進学させるために自分は満足に小学校にも通わせてもらえなかった。彼女の名前が「春草」だ。
時代は、1961年から2001年というからすごい。改革開放前に生まれ、文化大革命などの余波も受けながら、生きるためにひたすら働いてきた女性。常々、中国の一般的な男性は女性よりも劣るのではないかと思うほど、女子は好むと好まざるとを得ず、苦労を引き受ける立場だ。母性本能というものが、子供を持つ母親の立場を強くも逞しくもするのかもしれない。
ひたすらに、前向きに生きる姿勢というものは感動を呼ぶ。そういうことを感じる本だった。ちょうど中村天風さんの本も読み直しているところだが、自分の心をどんなときも強く保てる主人公で、読んでいるとはらはらもするが、読み終えて元気が出る本のひとつだった。