天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

1 代表的日本人 内村鑑三

 三度目の正直。umryuyanagai104さんに紹介いただいた本にやっとたどり着いて読んだ。

 前回読んだこの本の解説書がとても分かりやすく、内容を解説してくれていたので戸惑うことなく読めたが、生というか直に原作を読むとそれなりに粗削りな部分も感じられ、書かれた時代を感じて面白くもある。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/20171212#1513057476
 紹介本の方では、ここに書かれている人物がすべて素晴らしい人のように読めたが、実際に読んでみるとかなり癖のある人物もいる。ただ共通して言えるのは、みな私利私欲に基づいて行動するのではなく、天の導くところに従って動く。その結果がみな成功しているということだろう。
 そして明治維新以降の時代で、誰もが西洋かぶれしている中で、古来の日本の、日本人の在り方を堅持した人物ともいえる。そういう人に焦点を絞っており、海外からも注目された所以だ。大半が西洋の植民地になっていくアジアの中で、日本の在り方が注目されたわけだ。
 紹介されている5人の政策的なものは、必ずしももろ手を挙げて賛成しかねることもあるが、その行動の根拠にどこもやましいものが無い。少なくとも「モリ・カケ問題」のように政治を私物化して、仲間内の便宜をはかったり税金の無駄遣いをする、などなど目に余る現政権と比べると、外国に誇れる人物像ということができるだろう。
 この日本的な在り方を「武士道」と呼んでいる。二宮尊徳中江藤樹は出自は武士ではないが、その在り方ゆえに他の藩主たちからも教えを請われるほどの人物になった。
 「最後は金目でしょ」などという破廉恥な政治家たちとは雲泥の差。
 また、述べられている人物たち以上に内村鑑三自身の在り方が髣髴される。もう少し彼の著作を読んでみる気になった。