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天天日記

2018-12-01

[] 2017総選挙と永続敗戦レジーム 15:06

 この小冊子は、ひと月ほど前に映画コスタリカの奇跡」上映会を見に行ったとき、受付で様々なイベントチラシと一緒においてあった。無料で受け取るには申し訳ないくらいの55ページくらいのブックレット。上映会の主催者は三多摩9条連というグループで、この本はその連合会の作。

 表紙のタイトルの下にあるように、本の内容は「第16回9条連全国総会・特別講演」という講演をそのまま文字起こししたものである。

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 講演者白井聡という政治学者大学学部学科まで後輩にあたる経歴だが、その後一橋の大学院に学んで社会学博士となっている。同じ学窓にいながら、企業に入らずに問題意識を追求する道を選んだのだろう。素晴らしい歴史分析をしている。

 著作に「永続敗戦論」というのがあるが、この講演で話されていることは、この本のエッセンスのようだ。すなわち彼が近現代の日本を分析したまとめともいえる。元本をぜひ読みたいものだ。

 講演が行われたのが、昨年の総選挙の後であったので、その選挙結果の分析から話が始まっているが、冷静な情勢分析がされている。

 昨年の選挙のことはさておき、「永続敗戦レジーム」という言葉で何を言っているかというと、日本人の無責任体質だ。

 敗戦後の東京裁判で、誰一人自ら戦争責任ありと言う人間がいなかった。自分はしない方がいいと思っていたが、そういうことを言える状況ではなかった。と皆が口をそろえていたらしい。

 そして日本人の指導者達は、「敗戦」という事実を「終戦」という言葉に置き換えて、戦争はあたかも災害と同じように避けがたくやってきて、やっと8月15日に終わった、というような感覚に国民は慣らされてきた。その後の復興は、お隣の国の内戦による特需のおかげであり、復興に勢いがつき、高度経済成長へとつながった。日本人は誰もがよくやったのだと振り返る。自分も、そんな中で生まれ育って、とりあえず生活するために就職して、会社の仕事を一生懸命することが、社会のためになるものと単純に思って、目先の仕事に夢中になっていた。

 今回の東京電力の原発事故当時の経営責任者の刑事責任を追及する裁判でも、誰一人自分の責任を認めるものがいない。職務に一生懸命だったことを強調するが、誤った判断をして業務命令を出す立場ではなかったと言う。誰も自分の過ちだと認めていない。東京裁判と同じ。

 敗戦について、ちゃんと敗戦を認識して、国として反省をしていないので、今また同じことを繰り返す危険な動きも出てきている。

 大戦後にアメリカは、共産勢力の侵攻を防ぐために、極東において日本を利用する必要があった。そこで、岸など、本来A級戦犯として死刑執行をされるはずの人間のゴマスリを許して、日本米国が思う方向になるよう従わせた。敗戦による米国従属体制だ。

 ところが、東西の冷戦が終了して、ソ連が崩壊。日本極東における役割は終わった。にも拘わらず、安部はゴマスリを続けている。そうすることで、権力を維持しようとしているだけのこと。

 日本米国とっての軍事的役割の拠点は沖縄に収斂されている。今また辺野古基地をめぐって、この構図が明らかになっている。これは沖縄県に住む人々を犠牲にして、日本が安穏と米国に追随することを国家レベルでやっている。冷戦がない状況下では軍事目的は名目で、実は軍事産業の擁護のためではないか。これは911以降の米国の動き。

 日本人が、無責任体質から抜け出さないと、こうした醜い政治にも見て見ぬふりをして、当面の自己の生活が守られることを優先する。その結果、同じことが繰り返される危険が迫っている。ゆでガエルはそれすらも気づかない。