E級日記

もんがぁ のE級的生活の記録です

初秋の京都 2008

10/16-17は休暇をとって3泊4日で家内と二人で京都、奈良方面を回ってきました。いや〜盛りだくさんの充実した旅でしたね。京都に2泊、吉野で1泊、移動は車です。
京都はかって私が大学時代をすごした場所(今からもう30年前)です。今回は久々に京都市内の観光スポットも巡ってきたのですが、金閣寺や竜安寺、祇園、清水、嵐山、二条城などは修学旅行生や外国人観光客が多くて大変な混雑でした。私自身、金閣や竜安寺に行くのは30年ぶりになるのですが、かってと比べると京都全体がすっかり観光地化してしまった感じで、ちょっと残念な気もします。


その中で、京都御所が秋の一般公開期間だったので、事前にネットで申し込んでおいて見学しました。学生の頃にも一度見ているのですが、今回の方が勉強になりましたね。久々の京都、やはり面白い街だと思いました。

以下は順不同ですが、今回京都で食べたものの報告です。

瓢亭の朝粥

今回の旅行の目玉は、何と言っても瓢亭で朝粥を食べたことです。瓢亭は創業400年、日本の懐石料理の最高峰のひとつと言ってもよい店ですね。ここの朝粥はとても有名で、私もいつかは食べてみたい、、と思っていました。今回それが図らずも成就したわけで、ホントに嬉しかったですね。
こういう店ですから、とても敷居が高いように感じていたのですが、旅行の数日前に電話をかけると、あっさりと予約が取れてしまいました。朝粥は8:00/9:00/10:00/11:00の時間で予約ができるとのことで、私たちは8:00にしました。

瓢亭は南禅寺の傍の閑静な場所にあります。本館(写真上)は昔ながらの建物ですが、こちらで朝粥が食べられるのは7月〜8月の間だけ。今回私たちはその横にある別館(写真下)で食べることになります。
8:00前に着くと、既に店の前は掃き清められていて、「さあどうぞ」と、店に招き入れられました。

別館のほうは座敷ではなくてテーブル席が20卓ほど。席に案内されると、まずは梅茶が供されます。平日の8:00ということで客は多くはありません。落ち着いた部屋で、ガラス戸越しに中庭を眺めることができます。しばらくすると、まずはお料理が運ばれてきました。皿盛りの八寸には名物の瓢亭玉子など。瓢箪型の三段重ね鉢には炊き合わせ、酢の物など。ホントに奇麗です。

仲居さんに「おかいさんを炊いておりますので、まずはお始め下さい」と言われて、料理に手を付けました。どの料理も季節感のある食材を使ってすっきりとした純な味わいで、さすが、、というところです。瓢亭玉子の味付けは薄口醤油だけとのことですが、作り方は企業秘密とのこと。黄身の旨味が濃厚で美味しいですね。

30分ほどかけてゆっくりとお料理を頂いて、落ち着いた頃を見計らって、「おかいさんが炊けましたので、お持ちいたしましょう」と仲居さんが言って来られました。いよいよ、お粥の登場です、、

出てきたのはお粥の入ったお櫃、葛餡が入った片口、それに香の物です。お粥は熱々で米の良い香りがしますね。瓢亭のお粥は餡をかけて食べるのですが、、この餡が凄いです。家内があるところで聞いた話では、ダシの材料は昆布、鰹節、鮪節。昆布は利尻産で5年寝かしたもの。鰹節と鮪節は本枯節で半々の割合で使うそうです。ダシをとる時は温度(温度計で計る)と時間を厳密に管理して、とても気を使ってとるとのこと、、これは美味しいわけです。
このダシをふんだんに使った吉野葛の餡は、旨味が濃いのですが決して魚臭くはなくて、むしろすっきりとした味わいでした。う〜んこれは唸るしかないです。どろっとしたお粥の上にどろっとした餡をかける、、なんと狡猾な知恵、、こういう念の入った仕掛けは京都人ならではですね。

瓢亭で懐石料理を食べると最低でも2万円からということになりますが、この朝粥は4,500円です(冬場はウズラ粥になります)。朝飯に4,500円ということですから、高いと思うか安いと思うかは人によって違うと思いますが、私ははっきりと安いと思いました。このお店、決して敷居は高くないので、京都を訪れる機会があれば、是非とも行ってみて下さい。決して損はないと思います。

瓢亭 京都市左京区南禅寺草川町35

新京極 蛸八

新京極の中にぽつんとあるカウンター10席だけのこじんまりとした店です。新京極にありながら、店構えからして観光客はちょっと入りにくい雰囲気ですね。実際、私たち以外は皆さん地元の常連客のようでした。

メニューはなくて、壁にその日に仕入れたものが貼ってあります。それを見て、例えば、「今日はハモはどうですか?」と聞くと、「今日は焼きか揚げ物になるね」という答えが返ってきて、それで注文を決めていきます。私達は盛り刺し、グジ(甘鯛)の焼き物、小芋素揚げ、すっぽん小鍋を食べました。グジは身汁を残した焼き方、皮だけ別にパリパリに焼いてくれました。すっぽん鍋は最後に雑炊になります。



これだけ食べて、生ビール2杯、お銚子3本飲んで、二人で1万円しませんでした。いや〜安いですね。お店のご主人やお客さんとも色々ともお話して、とても寛げました。次の日、錦市場を歩いていたら偶然「蛸八」の若主人とお会いしました。その日の仕入れをされていたようです。向こうから「昨日はありがとうございました」と声をかけて下さったのは嬉しかったですね。

蛸八 京都市中京区蛸薬師通新京極西入ル


●錦市場
京の台所「にしき」です。私たちが泊まったホテルは錦市場から歩いて5分程の場所にあったので、京都滞在中に3回くらい通りました。

京都ならではのものも色々と売られていますし、歩いて見るだけでも楽しいです。京都を発つ日にはここでお寿司や惣菜を買って、お昼のお弁当代わりにしました。ここは、京に行った時には是非とも訪ねてほしい場所のひとつですね。


錦市場 京都市中京区錦小路通の寺町通と高倉通の間

イノダコーヒ本店

池波正太郎も愛したというイノダコーヒ。本店は中京の町家街の中にあります。
店に入ると奥行きがあって、100席以上の客が入るスペースがありますね。朝は7:00から営業しているということで、7:20頃行ったのですが既にほぼ満員。私たちは運よく1席空いていた中庭のテラス席を選びました。

この店で、私のお目当てはビーフカツサンド(1,730円)です。出てきたカツサンド、、いや〜旨そう。ビーフはレアの状態で肉汁たっぷり、、これは食欲をそそられます。実際食べてみると、肉が柔らかくて美味しかったです。


コーヒー(500円)も香りが高くて良いですね。家内が頼んだロールパンセットは、コーヒーにロールパン&エビフライ、サラダ等がついて780円でしたから、こちらはかなり割安でした。

イノダコーヒ本店 京都市中京区堺町通三条下ル道祐町140

新福菜館本店

最近の京都はラーメンでも活況を呈していますね。新しい店で行ってみたいところもたくさんあるのですが、今回は他に色々と食べたので、ラーメンは1杯だけ。行ったのは老舗の新福菜館です。
この店は戦後直ぐに始まったということで、京都でも一番古い店だそうです。学生時代には私の生活圏から外れていたので、一度も行ったことがなかったです。行ってみると、京都駅の近くの線路をまたぐ高架橋への登り道途中にありました。隣はこれも有名な第一旭の本店です。店舗は思っていたような風格はなくて、結構チープな感じでした。

この店の中華そばは広島のデパートの物産展で一度食べたことがあります。スープの色は濃い醤油色ですが、見た目ほどしょっぱくはなくて私好みの味でした。今回本店で食べてみても味はほぼ変わりませんが、スープのコクがちょっと足りない感じがしました。麺は基本柔めですが、もう少し固いほうが私は好きですね。

店は常連客で満員でしたし、まあこのラーメンはこれで良いのでしょう。次回京都に行った時には、新しい店に行ってみたいですね。

新福菜館本店 京都市下京区東塩小路向畑町569

大弥食堂

京のうどんはお汁と具を楽しむうどんです。最近は麺自体に拘る讃岐のスタイルが"うどん界"を席巻した感じですが、原点に戻って、こういううどんも良いものです。下京区の東本願寺近くにある「大弥食堂」で、"たぬき"430円を食べました。

私が"たぬき"を注文すると、京都人ではないと分かったのか、店の人に「たぬきはあんかけうどんですが、よろしおすか?」と聞かれました。実は京の"たぬき"は天かすは入ってなくて、餡かけうどんなのです。具は刻んだお揚げとネギ。熱々で生姜が効いた餡が美味しいですね。

大弥食堂 京都市下京区下数珠屋通東洞院東入