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益体無い話または文

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2017-09-01

幕末尽忠報国烈士伝 MIBURO(体験版)の雑感

歴史登場人物女体化シリーズ。今回はあまたの娯楽作品の題材とされる新撰組モノ。
人物に対する既存のイメージを損なわないようにしながらも新解釈を付与するのが巧妙。
前作の忠臣蔵ではエンドが吉良邸討ち入りで統一されていたが新撰組は死期がバラバラ。
五稜郭まで一本道の単線でいくのか複数ルート分岐するのかが気になるところ。
体験版では8月18日の政変により壬生浪士組が新撰組の名を賜るところまでプレイできる。
そして謙譲語の使い方に違和感を覚えるのは私だけではないはず。

雑文


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  • 歴史を題材とした作品における非実在的な主人公の位置づけ
    • 歴史小説でよく言われることが、「点」となるそれぞれの歴史的な事象を、物語の「線」としてどのように繋ぐかが面白さになるということです。特に史実に登場しない人物や設定を盛り込む場合、それがどのような位置づけになるかが問われてきます。前作の忠臣蔵では異世界転生モノをとり、現代から元禄期にタイムスリップし架空の人物に転生します。そこで赤穂浪士の生きざまに影響されながら現代世界で負った剣道へのトラウマを解消するという手法をとります。一方で本作の新撰組では月姫の志貫くんよろしく死線を見ることができる牢人が主人公です。断絶した下級武士という設定ですが、将来の行動を示唆する内容の文が送られてくるという伏線が張られています。これを考慮に入れると記憶を持ち越せずにループしているエンドレスエイト的な可能性も残されています(まさにアぺイリアがこの手法でしたね)。主人公くんは文官になるように親族に教育されていたため人を殺すことにためらいを感じる武士でしたが、土方さんに拾われたのち、浪士隊の人物の生き様に影響されて士道を身につけていくことになります。物語の冒頭は主人公くんと浪士隊のやり取りを通して人物紹介がなされていきます。

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  • 家茂の上洛のきっかけって三条実美の江戸下向じゃなかったっけ?
    • 体験版ではまだ新撰組ではなく浪士隊の状態からスタートです。新参者の主人公くんが浪士隊に入隊することで、いかにして近藤勇たちが江戸から京都へ来たのかが描かれていきます。
    • シナリオを読んでいくと文久の改革からの家茂上洛となっています。ですが文久の改革って家茂上洛と関係あったっけ?って感じ。文久の改革は島津久光が上洛して孝明天皇に働きかけ、勅使大原重徳を擁して江戸に下向し勅命という形で幕政改革を要求したものでしたよね。で、この薩摩の政治的進出に対し、長州藩をはじめとする尊攘派が対抗して朝廷と結びつき、破約攘夷の勅命を伝える勅使三条実美を派遣することになったと。幕府はこれを受けざるを得なかったので、家茂は上洛をすることになり、5月10日を攘夷決行日として定めさせられたという流れだったような?私の認識に誤認があるのかもしれませんし、シナリオを読み込めていないせいかもしれません。
  • 追記;家茂上洛の経緯
    • 島津久光は上洛して朝廷に働きかけ、幕政改革のための勅使が江戸に派遣されることになった。久光はその勅使の随従という形をとった。このときの幕府への要求が「三事策」というもので、(a)将軍・徳川家茂の上洛、(b)沿海5大藩(薩摩藩・長州藩・土佐藩・仙台藩・加賀藩)で構成される五大老の設置、(c)一橋慶喜の将軍後見職、前福井藩主・松平春嶽の大老職就任、の3つであった。この「三事策」が全て通ったのではなく、久光は勅使とともに幕閣と交渉に当たり、文久の改革が行われることとなった。この文久の改革で実行されたのは「三事策」のうち(c)のみである。文久の改革では将軍の上洛や攘夷の実行は扱われなかった。
    • 島津久光の江戸下向の後、もう一度勅使を派遣して幕府に攘夷の勅命を伝える建議がなされ、これを受けて三条実美と姉小路公知が江戸下向することになった。この時には土佐藩主の山内豊範は勅使護衛となっている。攘夷勅使を受けて、幕府は天皇の攘夷の意思を受け入れることになり詳細は上洛して申し上げると回答した。これにより家茂は翌年に上洛し、攘夷決行日を定めることになった。
    • よって、島津久光上洛時の「三事策」では家茂上洛の条件があったが、文久の改革では家茂上洛も攘夷実行も関係がない。文久の改革後、もう一度勅使が派遣され(これが三条実美)、攘夷と上洛が決まった。これにより、家茂は上洛することになった。


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  • 8月18日の政変で浪士隊が新撰組になる。
    • 長州藩尊王攘夷の勢いは日に日に増し、定めさせた攘夷決行日になると下関事件で砲撃。さらに京都では孝明天皇の大和行幸を機会に倒幕挙兵にふみきる計画を実行しつつありました。これを受けて京都守護職の松平容保の会津藩は尊攘派を弾圧することを決意します。この作品では松平容保の苦労人っぷりも描かれていて保科正之以来の思想を継承しようとする涙ぐましさを感じられます。そしてこの8月18日の政変を契機に尊攘派は京都から追放され公武合体派が主導権を握るようになります。浪士隊はここで「新撰組」の名前を賜るのですが、本作では松平容保から賜るという説をとっていました。こうして新撰組が結成されて体験版はお開きとなります。脚本の進行では歴史の流れよりも芹沢一派と近藤一派の対立を描く側面が強いように感じられました。そのため、製品版はOP後の第一イベントが芹沢暗殺になるであろうので、どのような展開になるかが気になりますね。

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