『血の婚礼』原作


今日も図書館で,仕事の資料と格闘していたのですが,ふと前から気にかかっていた本をチェック。ふむふむ。岩波文庫本版『血の婚礼』(牛島信明訳)は現在絶版だけれど,下の著作に『血の婚礼』翻訳が収められていて,現在も刊行中です。

素晴らしい靴屋の女房―ロルカ名作戯曲選

素晴らしい靴屋の女房―ロルカ名作戯曲選

岩波文庫版牛島訳は、スペイン語から直接翻訳したものだけど,こちらの小海永二訳はフランス語からの重訳。ただ小海永二氏は,自身が詩人という立場から別にロルカ詩集も翻訳していて,やはり詩人の長谷川四郎とともに,戦後日本にロルカの戯曲を翻訳紹介する大きな流れを作った中心人物みたい。1958年,書肆ユリイカから出版された『ロルカ選集』全4巻発刊にも大きく名を連ねています。
今日,パラパラと岩波文庫本版と読み比べましたが,日本語は圧倒的に(比較にならず!),この小海訳(上記『素晴らしき靴屋の女房』所収)がこなれていて読みやすい☆。そういう卑近なことばじゃなく、古典的な無着色の言葉選びがいいって向きには、牛島訳かな〜。まあ,好き嫌いの範囲と思いますが…。

  • 【追記】そうそう,巻末の小海氏による解説が秀逸。芝居解釈にも一脈通ずるような「空間的」切り口での人物紹介は,とてもわかりやすいです。

原作,原語で読むのが無理なら,翻訳は一作を過信せず複数読み比べる方がいいですよね。あ,時間があればだけれど(苦笑)。
そういう点では,

ロルカ戯曲全集〈2〉

ロルカ戯曲全集〈2〉

いまもちゃんと販売中です(ちょいと高いけど:笑)。
さて、このバージョン、翻訳者にスペイン語の専門家が名を連ね,特に『血の婚礼』は,岩波『大航海時代叢書』の翻訳にも携わった長南実氏☆。これは確かな翻訳に違いないぞ〜。
ところがいかんせん,こちらは岩波文庫と違って,どこの図書館にもあるという訳にいかなない。私が今日こもってた図書館も別館にしか所蔵がなくって,テキストは未確認のまま。
これも,時間ができたら読んでみなくちゃなあ。

『演劇ぶっく』124号

ちょちょちょいと追記。
『噂の男』のインタビュー記事が出ています。堺雅人さんとさとしさんとの3ショット。弟分の堺さんがかわいらしい。じゅんさんは,やっぱり言葉一つ一つに信念がこぼれ,そのくせぎすぎすしない大人の包容力を感じさせる。ああ,ほんとに素敵です。