『レ・ミゼラブル』8/2マチネ

 実は昨日、夕方から東京で仕事の打ち合わせがあったので、『レ・ミゼラブル』を見てきたんですよね。……ってホントは順序が逆で。その日の昼の『レミゼ』をどうしても見たいから、打ち合わせを夜に入れたのでしたが…(笑)。


 橋本さとしジャン・バルジャン岡幸二郎=ジャベール


 2人の歌の応酬には戦慄が走りました。
 岡さんの歌唱力はわかってたけれど、ロックミュージシャン!のさとしさんが、あんなに素晴らしく正統的な歌声をもっておれれることに感動したなあ。
 俗で弱いジャン・バルジャン、一幕に登場のさとしさんは、それはもうピッタリ!銀のワイングラスを盗むときに爆発させた世の中への憎しみ、そして、その彼に銀の燭台を「お忘れですよ」と手渡す司教、その後に、震える魂で歌うのが「独白」なのよね、これがすごかった…。本気で泣かされました。


 そんな弱き人間、その彼が愛する者のためにすべて投げ出していく姿、弱くも強い人間として変貌していく姿は純粋に感動的で、最後の臨終シーンでマリウスとコゼットが歌う「ジャンバルジャンは聖者」というフレーズが、本当に納得できた。納得して、本気でボロボロ泣いた。ともかく、マリウスの「カフェ・ソング」辺りから号泣ですよ、おばさんは…やられた。
 マリウスの藤岡正明さんの歌声もすばらしかったなあ。コゼットの菊池さんもソプラノがきれいだった。そうそう、坂元健児さんのアンジョルラスも、正義の化身!という感じで良かったです。ただ、もうちょっと声帯を広げた歌い方の方が好みですが(苦笑)。

 
 で、岡さんのジャベール。これがまあホントに見事なはまり役!毅然として一寸の妥協も人情も入り込まない隙の無さ、いやあゾクゾクしました。それだけに、自ら鎧のようにまとっていた規範を、自ら破ったときに一気に襲う精神の破綻。その、本当の意味での弱さが際立ってました。「自殺」は迫力があったなあ。橋の欄干にぶら下がる姿は、歌舞伎の獅子のようだった。

 
 これははまりますね。違うキャストで見てみたくなるわ。
 大阪でもやってくれれば、通うのにな…。

『シアターガイド』2007-9

 で、その、橋本さとしさんのインタビュー(小西&山崎マリウスとの鼎談)が載ってるので買った今号。パラパラとめくっていて、「わたしの今月」のコーナー。レギュラーのソニンちゃん談。
 『戦争わんだー』は観に行くという彼女。未來さんを称して「演出の目をもっているところが尊敬する所の一つ」、と語っておられます♪(p.78)
 そのことばが、ちょっと嬉しかったので。