もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅Quartette 『無言歌』@ソノリウム

実は、朝からこんなに緊張と期待の混ざった感情が続いたのは久しぶりでした。
喜多直毅クァルテットは、特別なんです。
そして、MCなし、アンコールなしの約1時間。予約で満席。当日券は無しでした。

これまでは、鋭利な刃物を突きつけられた感じが多かったけれど、今夜は又違いました。
音楽全体が鋭いだけではなく、安定していて、暖かくて、「生きろ!」と力強く発信していました。
後半以降は、ヴァイオリンの弓と弦が直角に交わるポイントをジッと見るしかなかった。十字架のようでした。
今日は高揚しても泣かないぞ、と思っていましたが、左眼から一粒だけこぼれました。
バンドネオンは初めて立って演奏でした。後でお聞きしたら音の響きの為だそうです。
ピアノの強さ、速さ。黒い雲のような不穏な低音。
コントラバスのひそやかで妙なる響き。とても良かった!
リーダーの喜多直毅さんと他の三人のメンバーは、このクァルテット以外で共演することはあまりないけれど、しっかり一つになって奏でていました。
次回は4月15日(土)、会場未定とのこと。
5月27日には奈良公演も決まっていて嬉しいです。
*5月28日尾道、30日広島、と西日本ツアーになるようです!(直毅さんのツイートより。)

12月20日
喜多直毅クァルテット
喜多直毅 (音楽、ヴァイオリン)
北村聡 (バンドネオン)
三枝伸太郎 (ピアノ)
田辺和弘 (コントラバス)

(作曲は全て喜多直毅)
01. 月と星のシンフォニー
02. 燃える村
03. 影絵遊び
04. 焦土 (新曲)
05. 峻嶺
配布物では3曲目と4曲目は逆に記載されていましたが、2曲目の終わりに直毅さんが伝言して急遽順番を入れ替えていました。こういうことにも、即座に対応出来るメンバーです。
ピアノは内部奏法なしでした。他の楽器も、ヴァイオリンにクリップ装着した以外は小道具は使っていなかったと思います。田辺さんは端でよく見えず。
曲数も比較的少なかったのですが、時間はいつもとほぼ同じで、譜面も膨大でした。曲としてもちろん独立しているのですが、いったん無音になる場合だけでなく、つながっていく場合もあって、全体が『無言歌』というテーマなのでしょうか。
私は批評ではなく自分の感想しか書けないので、ちょっと悔しい時もあります。でも、この音楽に出会えて、すっぽりと浸ることはとても幸せなこと。他に代わるものは無いですね。
4月、5月のコンサートが楽しみです。それまで元気でいられるようにしよう!と思いました。