もとこの音楽感想日記

生で聴いた音楽の感想など

喜多直毅クアルテット 二日間連続公演『無慚』2日目@公園通りクラシックス

沈黙と咆哮の音楽ドラマ、2日間聴いて、ちょっと抜け殻状態になりました。
無慚、というサブタイトルは、ひょっとしたら「これから更に高い段階に入ります宣言」かもしれない。ふっと思い付いた言葉かもしれないけれど、リーダー喜多直毅さんの無意識と関係している気がします。
月曜にはまだ完成していなくて、金曜のライヴ前には(自分で作曲したけど)弾けないからと練習なさっていた新曲(タイトルは「昭和」)も含めて、全体がとても良かった。
メンバー全員がこれは自分のバンドだ、と意識して演奏している。そして、音がケンカしてぶつかり合う風ではなく、互いを聴き合ってリズムが合うべきところはビシッと合っている。私はそんなふうに受け取りました。
特に三枝さんのピアノ、今までで一番好きかも。
次回公演(来年3月10日、11日予定)まで間は長いけれど、その期間、メンバーそれぞれの変化もあるでしょうし、曲が増えるかもしれない。ここは、我慢して待ちます。

10月22日
喜多直毅クアルテット
喜多直毅 (作曲・ヴァイオリン)
北村聡 (バンドネオン)
三枝伸太郎 (ピアノ)
田辺和弘 (コントラバス)

ピアノの向きを少し昨日と変えていたかな。
01. 死人〜酒乱 (1st Album収録)
直毅さんが鈴をリーンと鳴らして開始。客席の雰囲気が音に集中しているのが、目に見えるようだった。
02. 燃える村 (2nd Album収録)
03. 昭和 *新曲
冒頭、田辺さんがピチカート鳴らし、北村さんがバンドネオンのボディを叩き、直毅さんがヴァイオリン、と順にアクセントのハッキリしたシンプルな音の並びが少しあって、展開して行きました。
タイトルと曲調を合わせて私が連想したのは、昭和時代のモノクロ映画音楽。
04. 轍 (1st Album収録)
バンドネオンに続いて、ピアノのソロがとても良かった。今まであまり意識していなかったのと記憶力衰退のせいで、ここはヴァイオリンがソロだった気がしましたが、終演後にお聞きすると、いつも二つ目のソロはピアノだそうです。失礼!
05. 峻嶺 (2nd Album収録)
激しい部分と静かな部分が何度か繰り返され、展開され、変奏され、ああ、これだ、と納得する流れで終曲しました。
リーダーが短く挨拶して終了。65分くらいだったかな。
次回公演の日程告知の後、え?空いてるかな?(スケジュール)見てみます、と言うメンバーの発言に笑いが起こって、客席の雰囲気がほぐれました。正気を取り戻すのに、ちょうど良かったです。