香典の法則

 これも以前のことだが、取引先の社長が亡くなり、お葬式の手伝いをした。私は受け取った香典の整理をした。受付の後ろの方にいて、香典を記録する。名前と金額を記帳した。その時発見したささやかな法則。
 通夜や告別式の決まった時間の中で、平均的な額の香典は初期に持って来られる。中期に来られるのは額が大きい。少額は後期に多い。これだけのことだが。
 初期に来られた平均的な額の弔問客たちは知人や取引先の普通の会社員ではなかったか。取引先の経営者らしき人は中期に来られ、香典も多額だった。後期は隣近所の人たちが多いみたいで香典も少額だった。これを「香典の法則」と名付けた。