顧客満足

 簡単に書きます。35年前入社した時の会社はスライド制作プロダクションから編集プロダクションに変わりつつあるところだった。入社後10年くらいでそれを広告制作プロダクションに変えていった。なぜ変えたか? クライアントの要望に応えるためだ。経営者からは強く反対された。なぜそんなことをする。面従腹背で切り抜けた。成果をあげれば何とか事後承諾が得られた。それでも「金がもらえれば何をしてもいいわけではないのだ」などと言われもしたが。
 クライアントの要望と言ったが、クライアントの担当者の要望ではなかった。担当者のレベルはしばしば高くないことが多かったので、目的とする商品の販促を第一目標とした。それが時々担当者と矛盾した。その時は担当者の教育に努めたが、容れられないときもあり、騙したり誤魔化したりもした。担当者の思惑よりも大きな目標を大事にした。それが結局は担当者の利益にもなった。
 大きな意味で顧客満足を実現しえたと思う。しかし何人かの担当者からは嫌われたかもしれない。仕方ない、誰からも好かれるわけにはゆかないのだから。