ギド・アルゼンチーニ展

 東京日本橋のギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アートでギド・アルゼンチーニ展が開かれている(5月15日まで)。画廊のホームページから、

ギド・アルゼンチーニは、1966年イタリア・フィレンツェに生まれました。フィレンツェ大学で3年間医学を勉強した後、23歳で写真家としての道を歩み始めました。2007年に刊行された「The World's Top Photographers: Nudes」(RotoVision)で、世界に名だたるフォトグラファー30人とともに、現代のヌード写真を語る上で重要な人物の一人として取り上げられています。現在はアメリカ・ロサンゼルスを拠点に、作品を精力的に発表しています。 アルゼンチーニの女性美に対する偏愛とも言えるこだわりは、被写体に対して執拗なまでの完璧さを求めることに起因します。ある種冷徹で一切の妥協を許さない理想美の追求の根底には、女性に対する揺ぎない愛情と理想があります。そのフィルターを通して何度も抽出され精製された女性達は、神格化された彫刻のようで、観る者の目を奪います。ラグジュアリーできらびやかなホテルも、チープでシャビーなモーテルも、すべて自身のファンタジーとも言える世界観を実現させる劇場の役割を果たしています。その舞台装置の中で、女性の身体は芸術作品へと昇華されていくのです。



アルゼンチーニの比類なきこだわりが凝縮された作品は、女性の身体に対する深い理解と、他の追随を許さない独走的な執着心によって、強度を備えた共感性を持つ美しさを放っています。そして官能的なロマンスやエレガンスに満ちた甘い香がそこかしこに漂うのです。これこそがアルゼンチーニ最大の魅力と言えるでしょう。日本初となる本個展、ぜひご高覧下さい。

 ホームページから引用したこれらの写真は十分にエロティックだが、もっと過激なのは画廊に足を運ばなければ見られない。全裸で尻を高く上げて四つん這いになっているモデルは女性器を露わに写し出されている。また同じく全裸で正面を向いて足を大きく広げたポーズもある。これらはまるでポルノ写真のようだ。ではなぜポルノ写真ではないのか。それはこれらの写真がアートとして撮られているからだ。アートだから非常に高価な値段が付けられている。サイズも大きい。こんなに大きくては秘かな行為の材料として使いにくいだろう。
 実はこれらの作品はなかなか凝った作られ方をしている。カメラマンはポルノ写真の撮り方に擬して、それをアートとして撮っている。ポルノのパロディを撮っているのだ。そして、それはほとんど成功している。ほとんどと言って、100%と言わないのは、思春期の男の子にとっては十分にポルノだからだ。
 画廊では彼の写真集も売られている。写真集はポルノではないのか。おそらく違うだろう。実は写真集は手にとっていないのだ。


ギド・アルゼンチーニ展
3月23日〜5月15日(日曜・祝日閉廊)
11:00〜19:00(土曜11:00〜17:00)
ギャラリー・ショウ・コンテンポラリー・アート
東京都中央区日本橋3-2-9 三晶ビルB1F
電話03-3275-1008
http://www.g-sho.com
入場無料


 ギャラリーは日本橋丸善の並び、そして高島屋の並びのコーセー本社の道路を挟んだ真向かいのビルの地下だ。10年ほど、あるいはもっと前は外苑前のワタリウム美術館の先のビルの地下だった。いつも広いスペースのギャラリーだ。