朝倉響子の彫刻

 朝倉響子の彫刻をときどき街角で見掛ける。日本橋プラザビルの前に椅子に掛けた女性像が置かれている。「Jill」と題された細身の若い女性が踵を浮かせ膝を揃えて前方を見て座っている。肘を足の上に乗せ、指を軽く組み合わせている。首が細く長く、シャツが身体に貼り付いている。


 府中市の市役所前にも置かれていた。こちらは2体で、やはり若く細身の女性像だ。2人とも立っていて、シャツやパンツが身体に貼り付いている。「CONNECTION」と題されている。

 こちらの2体は中央区新川にある東京住友ツインビルディングの裏手の広場に置かれている。どちらも椅子に座った若い娘と少年に近い男の像だ。細身であることが共通している。娘が「NIKE」、男が「Summer」と題されている。



 朝倉響子は彫刻家朝倉文夫の次女で1925年生まれ、画家で舞台美術家の朝倉摂は姉になる。朝倉響子の作品は、公共空間に展示するのに向いているのかもしれない。変な癖がないし、そもそも負の要素がない。すなおにきれいだと思う。

 jillが置かれている日本橋プラザビルの反対側の広場(こちらが表側だ)には、佐藤忠良の彫刻が置かれている。こうして朝倉響子佐藤忠良を比べれば、朝倉は作品として少し甘くて、やはり佐藤の作品を採ることになってしまう。