トキ・アートスペースの菅野泰史展「手向けの作法」を見る

 東京神宮前のトキ・アートスペースで菅野泰史展「手向けの作法」が開かれている(7月10日まで)。菅野は1971年、茨城県生まれ。1994年、東北生活文化大学を卒業し、1997年に愛知県立芸術大学大学院美術研究科を修了している。愛知県で初個展をした後、ギャラリーKで5回、ここトキ・アートスペースでは3回目の個展になる。



 画廊の床に92個のオブジェが設置されている。大理石で作った皿状のものに銀箔を貼っている。大理石は薄く薄く作り、1個の重さも170グラムくらいだという。傍に真四角の箱が置かれており、削った大理石の粉が入っている。実際はこの3倍もあり、95%以上を削っているという。
 2012年にギャラリーKで個展をしたときに作ったカタログがある。その裏表紙に2007年の「ART×NIIGATA、西区deアート2007」で発表した作品の写真が掲載されているが、それがすばらしい。日本家屋の和室の畳を外し、部屋一面に菅野が掘り出した石の作品を敷きつめている。和風の部屋に石というアンバランスが眼を惹く。これはぜひ実物を見たい。下の写真がそれを複写したものだ。

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菅野泰史展「手向けの作法」
2016年6月27日(月)〜7月10日(日)
11:30〜19:00(水曜休廊)
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トキ・アートスペース
東京都渋谷区神宮前3-42-5 サイオンビル1F
電話03-3479-0332
http://homepage2.nifty.com/tokiart/
地下鉄銀座線外苑前駅から徒歩5分ほど
ワタリウム美術館近く