ギャラリーCO-EXIST-TOKYOの小林耕二郎展を見る

 東京木場のギャラリーCO-EXIST-TOKYOで小林耕二郎展「動ブツたち」が開かれている(3月18日まで)。小林は2001年に金沢美術工芸大学美術学部彫刻学科を卒業し、2003年には多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。2011年に新宿眼科画廊で個展を行ったほか、この画廊やアキバタマビ21などで個展を開いている。グループ展では、岡本太郎美術館や所沢の「引込線2015」、その他イギリスでのグループ展にも参加している。





 会場には黒っぽい半球状のオブジェが並んでいる。小林に訊くとこれは鉛でできており、しかし中空なので軽いという。地面に穴を掘り、そこに鉛の板を置いて、穴の形状に沿って叩いて半球状の形にする。ある種の鍛金の手法に近いらしい。それを掘り出して磨いたものだという。きわめて単純な形をしているが、手仕事の痕があり、ミニマルに近いが温かい表情がある。とはいえ、同じような形が並んでいるのも事実だ。台座には段ボール箱が使われていて、鉛との対比でこの箱も作品の大きな一部になっている。ギャラリーの隅には掘り出したまま磨いていない作品が置かれていて、生に近い姿を見ることができる。
 そのほか、鉄のパイプが数本束ねて立てられている。もう一隅には段ボールの箱が天井にまで積み重ねられている。ちょっと東京都現代美術館の常設に設置されているジャッドの金属の箱を連想した。
 派手ではないが、どこか暖かみが感じられ、素朴な印象もあり、それでいて同じような形の連続によるリズム感があって、魅力的な展示になっていると感じられた。
 本展は3月18日まで「動ブツたち」という題で行われているが、3月25日から4月2日までは、「動ブツたち動く」という題で、続編があるみたいだ。どんな展開を見せてくれるのだろう。
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小林耕二郎展「動ブツたち」
2017年3月4日(土)‐3月18日(土)
11:00‐19:00(月曜日休廊)
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ギャラリーCO-EXIST-TOKYO
東京都江東区木場3-18-17 2F
電話03-5809-9949
http://coexist-tokyo.com
※1階はEARTH+ギャラリー
地下鉄東西線木場駅3番出口から徒歩6分